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【解説】岡山芸術創造劇場「ハレノワ」が9月1日グランドオープン!期待の一方で「新陳代謝が難しい…」と課題も

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 9月1日、岡山市中心部に岡山芸術創造劇場「ハレノワ」がグランドオープンします。場所は表町商店街の南東です。オープンに向けて周辺の活性化も期待されていました。
 新たな店ができるなど、にぎわいが期待できる一方、「新陳代謝が難しい……」という課題も見えてきました。

(and green tea/平山 姫里有 マネージャー)
「お店の雰囲気的には若い人向けなんですけれども、入りやすいお店にしてて」

 天満屋岡山店のすぐ近くに8月12日にオープンした「and green tea」。抹茶やほうじ茶を使ったドリンクやスイーツを販売しています。

(and green tea/平山 姫里有 マネージャー)
「意外に若い人が働いてるお店が増えてたり、おしゃれなパン屋さんとかカフェがあったりとかあるなって結構思います」

 お店がある岡山市北区表町の「中之町商店街」は新しい店が続々とオープンしています。

 ここ2年でオープンしたのは実に11店舗。このうち5店舗が飲食店です。

(and green tea/平山 姫里有 マネージャー)
「ハレノワと後楽園の通りになるのでお客さんにたくさん来てほしいっていうのもあるし、外国人のお客さんも増えてるのでターゲットに英語のメニューを置いたりしてます」

 ハレノワから表町商店街を北に進むとその先には岡山県有数の観光地、岡山後楽園があります。この中之町商店街に新たな店を積極的に呼び込んでいるのは中之町商店会の理事長、片山進平さんです。

(中之町商店会/片山進平 理事長)
「ここ2年ぐらいは中之町はですけど、(新店を)呼びやすくなって(コロナが)落ち着いてきたから出店意欲が出てきて」

 また、ハレノワ周辺でも「変化」が。

(松木梨菜リポート)
「こちら千日前地区ではアーケードが撤去されて、通りは明るい雰囲気になりました」

 岡山市は千日前地区の電柱を地中に埋めるなどして「千日前ハレノワ通り」という愛称をつけ整備しました。整備費用は約3億4000万円で、半分ほどを国の補助金でまかないました。

 千日前地区の再開発組合の難波理事長も変わる街に期待をにじませます。

(千日前地区市街地再開発組合/難波正治 理事長)
「青空が見える明るいマチということで、ここでイベントをやっていただいて、千日前に来るとにぎやかにやってる雰囲気を出していきたいなと思っています」

 ハレノワのオープンに向けて、表町商店街では「飲食店を出店したい」という要望も多いそうですが、飲食店の誘致は難しい現状があります。

 表町の8つの商店街でつくる商店街連盟の長谷川誠理事長はその理由について、商店街ならでは事情があると話します。

(岡山市表町商店街連盟/長谷川 誠 理事長)
「貸す側から『飲食は不可です』っていう店も多いんですね。飲食、夜営業すると最低でも夜9時とか……。店の奥とか2階に大家さんがいらっしゃるということになると、自分の生活のリズムが狂ってくるということで。個々の持ち物でいらっしゃるので無理やりってわけにいきませんので」

 このほか、飲食店を出すには水回りなどの工事も必要となることもハードルになっているようです。

 この現状に街づくりの専門家からは……。

(岡山大学大学院/中村良平 特任教授)
「もうちょっと前向きに考えていただくとせっかくハレノワができるわけですから、貸すことが難しいのであればシャッターの前のところを使ってスタンド的な軽い喫茶的なものをやってもらうと」

 岡山市が2年に1回行っている通行量調査で天満屋岡山店前の1日の通行量の推移を見てみると、2000年には3万2400人ほどでしたが、2022年は1万5500人ほどと半分に減っているのが分かります。

 一方、2014年にオープンしたイオンモール岡山と岡山一番街を結ぶ地下道の通行量は2022年、2万2403人でした。

 岡山市ではたびたび「表町」と「岡山駅前」の2極化が指摘されます。専門家がハレノワのオープンに合わせて表町エリアを活性化させる為に克服するべき課題と指摘するのが……駐車場、「コインパーキング」の多さです。

(岡山大学大学院/中村良平 特任教授)
「コインパーキングが乱立してるのは、街としての形を成さないですよね、それはね」

 KSBが確認したところハレノワの目の前、千日前ハレノワ通り沿いにはコインパーキングが3カ所。近くにも多くコインパーキングがあります。

 中村さんは、これが街の魅力を損なう要因だと指摘します。

(岡山大学大学院/中村良平 特任教授)
「物販とか飲食店があって人々が集う、歩いてやってくる、というのがあるので、周辺整備をしていって(土地の)利用価値を高めていくのは行政の仕事でもあるので、青写真を描いて整備していく必要があると思います。そうすると駐車場減るはずです」

 また、周辺の商店街では、照明が暗かったり、カラー舗装がはがれていたりしている場所もあります。

(岡山大学大学院/中村良平 特任教授)
「すごくさびれてる感じを持ちますよね」

 こうした状況を変えるため岡山市は2023年度、カラー舗装や照明のLED化など商店街整備のための補助制度を設けました。しかし、こうした制度を活用するのも簡単ではないようです。

(岡山市表町商店街連盟/長谷川 誠 理事長)
「それぞれの組合の財政状況等ありますのでその辺はシビアなことになってくると思います」

(岡山大学大学院/中村良平 特任教授)
「商店主の方にマイナスの効果をもたらすことになるので自己負担分を集めてもらって行政と一緒に整備していかないと、それこそハレノワの面的な波及効果が出てこないことになりますよね。ハレノワに来てすぐ帰ってしまう」

 「ハレノワ」オープン後に実際にどれぐらいの人が街を巡っているのか、中村さんは岡山市がしっかり「検証」してほしいとしています。

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