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海外派遣を巡る香川県議の発言削除 議長「正確な引用ではない」…1カ所除き取り消しに応じず

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 香川県議会議員の海外派遣を巡る議員の発言が議長の職権で「削除」された問題です。削除された文言には裁判所の判決文の引用も含まれ、議員が「削除の取り消し」を求めていましたが、議長は24日、「正確な引用ではない」として1カ所を除いて取り消しには応じないと回答しました。

 議事録からの発言削除の取り消しを求めていたのは、香川県議会の植田真紀議員です。

 植田議員は、9月19日の代表質問で、知事や県議らが11月にブラジルなど3カ国を訪問する計画のうち、アメリカでの行程を「観光旅行」と表現。
 この発言が「事実誤認だ」などとして、10月4日、削除を求める動議が賛成多数で可決され、新田耕造議長が削除を命じました。

 さらに、この動議に対する植田議員の弁明についても、議長が「職権」により議事録から8カ所を削除するよう命じました。

 このうち、2カ所は2021年12月の高松地裁の判決文からの引用で、植田議員は「議事録の恣意的な削除は極めて重大な問題」だとして10月15日、取り消しを求める要望書を議長に提出していました。

 これに対し、新田議長が24日、植田議員に文書で回答しました。

 回答では「議会においては正確な情報に基づき議論が行われることが肝要であり、事実誤認の発言は県民に無用の誤解を与え、議会への信頼が失われることになりかねない。議長として事実誤認の発言について取り消しを命じるのは当然だと考えている」としています。

 そして、削除箇所のうち、
「議員派遣の旅費返還を求めた住民訴訟で、高松地裁は、【『実質的には海外視察の名を借りた観光といえる』と結論づけ、】20人に対して757万円の返還を命じました」
「高松地裁判決は、TVで放映された旅行とは別に、それ以外でも視察の意味が薄かった【ニューヨーク、サンパウロ、ドバイ、リスボンおよびパリを、すべて『実質的に観光』と判断し、】5つの視察日程について旅費などの返還を命じた」(【 】が削除部分)
 という高松地裁判決からの引用2カ所について、
「対象とされた4つの議員派遣のうち、『全体として、実質的には海外視察に名を借りた観光であった』とされたのは1つだけであり、その他の派遣については行程の一部について『実質的には海外視察に名を借りた観光』とされたものもありますが、その表現とされていない議員派遣もあります」として、正確な引用ではないとしました。

 一方、「カリフォルニアでは香川県移民の周年行事は全く予定されていないのですから」という発言も削除され、植田議員が「明白な事実の指摘を削除する事実隠しだ」と批判していましたが、この1カ所のみ削除が取り消されました。

 植田議員はKSBの取材に対し、高松地裁が視察の「全て」を実質的に観光だとしたわけではないことは認めた上で、「発言の趣旨は議会が判決を重く受け止めるべきだということ。議員の質問で資料やデータなどの引用が厳密に言うと正確ではないことはあると思うが、全て削除はされていない。今回の回答は全く納得行かないし、議員の発言を萎縮させることにもつながる」と話しています。

 なお「正確な情報が肝要」とした新田議長は、今回の回答の中で2021年(令和3年)12月24日の高松地裁判決を「令和3年9月3日の判決」と記しています。

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