インフルエンザの患者が増える中、医療現場では今、全国的にせき止めなどの「医薬品」が不足しています。
岡山市北区の青山こどもクリニックではインフルエンザや風邪で受診する人が増えています。
一方で……。
(青山こどもクリニック/山田幸平 副院長)
「さまざまな薬、風邪で使うせき止め・たん切り・解熱剤が少なくなってきている現状。見通しが立たないのが困っているところです」
隣接する薬局では……。
(松木梨菜リポート)
「こちらは薬の棚なんですけれども、せき止めとたん切りの薬を見てみますと、両方ともほとんど在庫がないのが分かります」
このほか解熱剤のカロナールの粉薬もしばらく入荷がないということです。
(保護者[子ども2人が風邪で受診])
「今回も3日分ということだったので(症状が)ひどくないからいいかなと思ったけど、もしひどいときに出せないとなると、親としては心配ですね」
さらにインフルエンザの薬、「タミフル」の粉薬も足りなくなってきています。
(青山こどもクリニック/山田幸平 副院長)
「風邪の症状のピークを越すくらいまでの期間、5日ないし1週間を考えて、今までは処方できていたんですけれども、現状は3日ほどの処方に。短い日数しか処方できないのは心苦しさを感じます」
岡山県の開業医らでつくる岡山県保険医協会は「薬不足」の現状を調べようと2023年9月、県内の医療機関にアンケート調査を行いました。
その結果、「入手が困難な医薬品がある」と答えた医療機関は9割近くにのぼりました。
入手できない医薬品として挙がったのは全部で49種類。
「せき止め」や「たん切り」が多く、ほかにも解熱剤や抗生物質などさまざまな薬が挙がりました。
岡山県保険医協会によると薬不足のひとつの要因は2021年以降、複数のジェネリック医薬品メーカーで製造上の不正が発覚したことで生産量が落ち込んでいることだとみられます。
また、インフルエンザなどの流行で現在、「供給が需要に追い付いていない」ということです。
全国的な医薬品不足を受けて11月9日、全国保険医団体連合会は厚生労働省に対して改善を求める要請書を提出しました。
(青山こどもクリニック/山田幸平 副院長)
「外来の医療ひっ迫と捉えていいと思ってるんですけれども、お正月に向けて人の動きも増えますし、それを見越して何か有効な手を打っていただければと思いますね」