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【解説】香川県の「未来への投資」 過去20年で3番目…総額約4866億円の新年度当初予算案とは

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 香川県の新年度当初予算案について見ていきます。一般会計当初予算案は総額約4866億円。2023年度の当初予算より17億円減りましたが、過去20年では3番目の規模です。この予算案で池田知事が強調するのは「未来への投資」です。

(香川県/池田豊人 知事)
「経済と財政の好循環を生み出し、香川の未来を次の世代につなげていくための予算として編成を行った」

 池田豊人知事が「未来」に向けて取り組むとしたものの一つが、県有施設のリニューアルです。

 日本の渚百選にも選ばれた、さぬき市の「津田の松原」。この場所は「琴林公園」という県立公園でもあります。

(犬の散歩で週2~3回利用)
「犬をね、自由に歩かせられるところって高松とか少ないんですよ。そういうのではここはすごく助かります」

 香川県が「琴林公園」を開設したのは1915年(大正4年)です。その後、遊具やベンチの設置など小規模なリニューアルを重ねていましたが、今回初めて、大規模なリニューアルに取り組みます。

(犬の散歩で週2~3回利用)
「せっかくあるのにね、地元の人しか来ないじゃないですか。ベンチ置いてちょっとテーブルみたいなの出して、家族みんなでお弁当食べられるようにした方がいいかなと」

 香川県は、新年度の予算案に琴林公園のリニューアルの費用、約1億1800万円を計上しています。

 計画では、琴林公園を「ウラツダ」「イベント」「キャンプ」と3つのエリアに分類。このうち、「イベントエリア」には机や椅子を設置してイベントや休憩などができる「パークレット」を整備するとしています。

 また「ウラツダエリア」にはドッグランや遊歩道などを。

 「キャンプエリア」には炊事場を新たに設け、キャンプ場を開設する方針です。

 香川県はこれらの取り組みによって琴林公園に訪れる人を現在の年間約13万人から15万6000人へと2割増やすことを目指したいとしています。

 リニューアルで狙っているのは、周辺の施設との相乗効果です。

 さぬき市津田地区の海岸沿い、「ウラツダ」と呼ばれる地域には新しいお店が続々とオープンしています。

 津田の松原の目の前にあるピザ店も2023年5月にオープンしました。

 店長の折口さんは、さぬき市の地域おこし協力隊員で、このエリアのにぎわいづくりにも取り組んでいます。

(PORTO PIZZA/折口洋一さん)
「琴林公園で何か新しいことが行われるというのはうれしいなと。また、いろんな人が来てくれるんじゃないかなという期待感もありますし、個人事業主がウラツダ、海岸沿いにお店を多く出して、少し人が来てくれている流れがあるので、それに追い風になっているような気がする」

 一方、地域全体のにぎわいを生むためには、琴林公園の玄関口となる道の駅から新たなお店が集まっているエリアへと人の流れが作れるかがカギになると考えています。

(PORTO PIZZA/折口洋一さん)
「せっかく『ウラツダ』って記載して下さってて、それに対して整備しようという動きが見えるんですけど、じゃあ実際何がこっちに誘因になるのかというところはあまり明確ではないのかなと。こっちまで歩いてくるという気にさせるような何かであったりとか、こっち側としても、こっち側にあるよって伝える何かは必要なのかな」

 香川県は施設のリニューアルに加えて、マルシェイベントを開催するなどして魅力発信やにぎわいづくりにつなげたいとしています。

 また新年度は琴林公園に加えて、高松空港近くの「園芸総合センター」や高松市の「公渕森林公園」もリニューアルを予定。

 2025年3月にオープン予定の香川県立アリーナについても建設費用などで105億円が盛り込まれています。

 このほか、池田知事が政策の柱に掲げているのが「少子化対策」です。そのための予算は2023年度から6億円増やして、24億円を計上しました。

 香川県の人口減少は深刻です。人口は2000年から24年連続で減少していて、2023年4月には50年ぶりに人口が93万人を下回りました。さらに、2023年の1年間だけで人口は8227人減少しています。

(香川県/池田豊人 知事)
「生まれてくる子どもの数を増やしていかないことには、どんどん減少するわけですから、そこは何とか今の世代で頑張らないと」

 池田知事は出生数を増やすために、子どもを産み育てていける安心感を作っていきたいとしています。

 子育て中の人に「少子化対策」で必要だと思うことを聞いてみると……。

「共働きの夫婦が多いというのもあって子育てと仕事の両立が一番の悩みなので、子どもが病気になったら子どもも休まなきゃいけなくなって、仕事も休まなきゃいけなくなった時に助けてくれるところがあったらいいなと」
「産む病院が見つからないというのが私もあったし、(産院が)潰れる一方なので、生まれた後の支援じゃなくて産む前に病院にもうちょっと通いやすくしてほしい」

 香川県は新年度、子育てについて相談したり情報を得たりできる場所を「かがわ子育てステーション」に登録し、場所をマップで示すことなどに取り組む方針です。この「かがわ子育てステーション」は200カ所の登録を目指すとしています。

 このほか、子どもの医療費助成や第3子以降の学校給食費の無償化などにも引き続き取り組む方針です。

 「未来への投資」を打ち出した新年度の一般会計当初予算案は、香川県議会で3月19日に採決されます。

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