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中国残留日本人の体験を聞く会 岡山県で初開催 「中国では日本人、帰国後は中国人と言われ…」

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 終戦の混乱で家族と別れ、中国に置き去りにされた「中国残留日本人」の体験や帰国後の生活について知ってもらおうという催しが15日、岡山市で開かれました。

 中四国地区の中国帰国者支援・交流センターや有識者らが開いたもので、岡山県での開催は初めてです。

 15歳のとき、旧満州で家族と離れ離れになった祖母の「中国残留」体験を語り部として伝えている山﨑哲さん(38)は、「戦争は当事者や子ども、孫にまで長く痛みを残すものだ」と話しました。

(祖母の中国残留体験の語り部/山﨑哲さん)
「祖母は戦後から70年以上経った晩年も、満州で逃げ続けてきた日々で見たたくさんの死体、死者の姿が夢に出てきてうなされることがあると言い、また、亡くなる最期まで弟がこの世界のどこかで生きているかもしれないという思いをあきらめきれないでいました」

 また、広島大学大学院の河本尚枝准教授は中国残留日本人やその子どもが帰国後、日本語でうまくコミュニケーションがとれず、医療や介護を含めた生活上の困難を抱えている現状を伝えました。

(広島大学大学院/河本尚枝 准教授)
「(中国残留日本人の方が)中国にいたときは『日本人、日本人』と言われてずいぶんと辛い思いをした。自分は日本人だから日本へ帰りたい、日本へ帰ったら自分は日本人としてちゃんと受け入れてもらって生活ができると思っていた。やっと願いがかなって永住帰国をして日本に住んだら今度は『中国人、中国人』と言われる。日本語がしゃべれない日本人がいることには理由があるんです。私たちが経験してきたことがどんなことなのか知ってほしい、地域の人にも知ってほしい。こんなお話でした」

 河本准教授は、帰国者を孤立させないよう地域の人たちや福祉の専門家とのつながりをつくることが大切だと訴えました。

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