岡山市に本社を置く両備システムズは、バングラデシュでAWD農法の実証事業をスタートさせます。実証期間は2025年2月から12月までの11カ月間で、メタンガスなどのデータを計測して分析し、農業のDX化を目指します。
AWD農法は、水田に水を入れたり乾かしたりを繰り返す「間断灌水」農法で、稲の収穫量を減らすことなくメタンの発生を抑えることができ、温室効果ガスを約35%削減する効果があるとされます。バングラデシュの稲作生産量は世界3位ですが、農業技術の遅れや農家の財政的課題などがあります。
両備システムズは、バングラデシュ向けの事業開発を手掛けるアジクル(横浜市)と連携し、営農指導員によるサポートを行います。苗から稲に成長するまでのプロセスや水田の水位、メタン排出量などを計測し、AWD農法の効果を検証します。
バングラデシュは気候、土壌に恵まれ、1年に3回の収穫ができることから、約4000ha分の農地面積を想定した実験となります。
AWD農法が普及すれば、メタン発生を抑えるだけでなく、水資源の節約や土壌保全、稲作の収量増にもつながると期待されています。