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ドクターストップで選手を断念…どん底から奮い立ちチームを支えるマネージャーに 岡山商大付【甲子園へのキセキ】

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 夏の高校野球・岡山大会。岡山商大付にはけがで選手を断念したマネージャーがいます。一時はどん底まで落ちたという気持ちを奮い立たせ、チームメイトの勝利を信じ献身的に支えます。

 岡山商大付のマネージャー下野維吹君。新チーム結成後、秋・春と県大会ベスト8の商大付で、全員が認めるしっかり者のマネージャーです。

(岡山商大付 マネージャー/下野維吹 君[3年])
「なるべく選手1人1人に声かけたり、目配り・気配りしてなるべく(全員を)見られるように頑張っている」

 下野君の仕事は、練習前に監督が決めたメニューを全員に割り振ることから始まります。

(岡山商大付 マネージャー/下野維吹 君[3年])
「バントうまくなったな! ほんまに」

 準備片付け・練習の手伝いはもちろん、隙を見つけてはチームメイトにアドバイス。こだわりの特注バットで放つノックの腕前は、大学の野球部から選手コーチとしてスカウトされるほど。監督も一目置く存在です。

(岡山商大付/川端康隆 監督)
「私のよき相談相手になってます。目配り気配り、練習も含めて、全てのことにおいて下野中心に回っている」

(岡山商大付 マネージャー/下野維吹 君[3年])
「監督との会話ということで気をつかう部分はあるんですけど、まぁ1人の大人としていろいろ話したりとか、自分の考えを言うようにしている」

 しっかり者の一面は日常でも……。

(岡山商大付 マネージャー/下野維吹 君[3年])
「兵庫県から通いで1時間半かけて、(休日練は)4時半とか3時半とかに起きて来てる。最初のころはすぐにやめるかなって思ってましたけど、なんとかここまでこれました」

 下野君が野球を始めたのは小学4年生の頃です。「楽しく野球ができそう」と隣の県の商大付への進学を決めました。

 1年生の秋大会では、外野手としてベンチ入りを果たし、順調な高校野球生活を歩み始めていました。しかし、その矢先――。

(岡山商大付 マネージャー/下野維吹 君[3年])
「もともと腰が悪くて、いざきつい練習をやったら再発という形になってしまった」

 秋大会後の12月、中学時代から痛めていた腰が悲鳴をあげました。歩くのもままならないまま向かった病院での診断は「腰椎分離症」。ドクターストップが告げられました。

(岡山商大付 マネージャー/下野維吹 君[3年])
「悔しいっていう気持ちが一番で、けがをしてしまったつらさもあって、1回どん底まで落ちてしまって……」

 突然の野球人生の終わり。ぼう然としていた中で眺めていた練習が、下野君の心を奮い立たせました。

(岡山商大付 マネージャー/下野維吹 君[3年])
「みんなのプレーが自分の中で刺激されて、やっぱりみんなが自分と同じ思いをしてほしくないので、裏方に回った方が自分も活躍できると思った」

 2年生の春。自ら決断したマネージャーとしての新たなスタート。支える側に回ったことで見える世界も変わりました。

(岡山商大付 マネージャー/下野維吹 君[3年])
「けがをしてから周りを見るようになってチームのことが最優先だなって思うようになった。みんなが活躍して、みんなで支えあって甲子園に行けたら一番いいなと」

(岡山商大付/河原季生 主将[3年])
「下野自身がけがしたとき、しんどかったと思う。自分たちも下野に恩返しできるように戦っていかないといけない」

 自分が支えになって。そして仲間同士で支えあう最高のチームで下野君はこの夏の挑戦を始めます。

(岡山商大付 マネージャー/下野維吹 君[3年])
「やっぱりチームが活躍するには、全員が一体とならないと勝てるものも勝てないし、みんなが勝ってくれると信じているので、みんなで甲子園に行って僕を胴上げしてほしい(笑)」

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