夏の高校野球・岡山大会はベスト4をかけた戦いが始まりました。玉野光南のエースは亡き母の思いを背負って最後の夏のマウンドに立ちます。
最速140キロを超える直球が持ち味の玉野光南・石井稜馬。中学3年生の冬、野球を応援してくれていた母が病気で亡くなりました。
(玉野光南/石井稜馬 投手[3年])
「ここに(玉野光南に)行って、野球を頑張ってほしいという思いを持ってもらっていた。甲子園目指して頑張ってほしいって」
(父・伸幸さん)
「一番それ(母の存在)が原動力になっていると思うんで、その強い思いがあれば、いい結果が出るんじゃないか。見守ってくれているのを感じてるんじゃないか」
家族への思いはグローブにも刻んでいます。
1年夏から逃してきた甲子園。この夏がラストチャンスです。
(玉野光南/石井稜馬 投手[3年])
「ずっと天国で見てもらっていると思ってるんで、そのおかげで高校入ってからも空見たら頑張れる。最後のあと一回のチャンスを必ずつかんで、家族への恩返しをしたい」
玉野光南×倉敷工
ベスト4をかけて……対するは倉敷工。
玉野光南は3回、1アウト2塁1塁のチャンスに4番・岡本。このヒットで先制します。
そして、1点リードのまま迎えた6回ウラ。石井がマウンドへ。最初のバッターを三振に打ち取ります。
しかし、三者連続でセンター前に運ばれ満塁に。
ここで石井は空を見上げ、心を落ち着かせると、後続を何とか断ち切りピンチを切り抜けます。
そして、9回2アウト。これを抑えきり、約束の夢舞台まであと、2勝としました!【玉野光南 1‐0 倉敷工】
(玉野光南/石井稜馬 投手[3年])
「(6回に)満塁になったんですけど、マウンドでは一人じゃないと思ってるんで、空を見て心を落ち着かせました。準決勝・決勝とマウンドでの緊張感というか威圧感というか、そこでの雰囲気が全く違うんで、そこでも平常心保って、自分のピッチング貫いて、絶対勝ち切りたいと思います」