2012年に岡山市の岡山操山高校の生徒が、部活動の監督から叱責され自殺した問題です。岡山県教育委員会が制作した再発防止のための動画について、生徒の遺族が「意見の反映が不十分で大変遺憾」などと訴えていたことが分かりました。
この問題は2012年7月、岡山操山高校の野球部のマネージャーだった当時2年生の男子生徒が、監督から厳しい叱責を受けた後に自殺したものです。
岡山県教委は、再発防止策の一つとして体罰やハラスメントなどを防止するための動画を制作し、2025年5月から活用しています。動画では男子生徒の事例を含む10の事例や相談窓口などを紹介しています。
7月末までに市町村立学校も含めた教職員とほとんどの県立学校の生徒が動画の視聴を終えていて、岡山県教委は27日、一般にも公開しました。
27日に開かれた岡山県議会の文教委員会で、男子生徒の遺族が動画の内容に問題があると訴える文書が公開されました。
8月22日付けの文書に「教師側の問題を生徒側に責任転嫁しているほか、教師のパワハラなどの指導に気付くことの重要性に関する説明がない。遺族の意見の約7割は生かされておらず大変遺憾で強い怒りを覚える。再発防止策として受け入れることはできない」などと書かれています。
(岡山県教育政策課/小林伸明 課長)
「反映できていないところはございますけども、出来上がったから終わりというわけではないので。足りないところは次年度以降も検証して改善する、それは努めていきたい」