高松市に小さな頃から「カメムシ」が大好きなカメムシ博士の女の子がいます。2025年春、中学生になった彼女は今も虫の研究を続けています。
高松市の田村茉織さん、中学1年生。ある部活に入るため、地元の中学校ではなくスクールバスで通う必要がある大手前高松中学・高等学校に進学しました。
その部活とは、生物部。
(大手前高松中学校1年/田村茉織さん)
「生物部はみんなでお世話したり研究したりしています」
カメムシが大好きな茉織さんをKSBが最初に取材したのは3年半前。小学3年生の時でした。
小学校でカメムシ博士として知られるようになったのは、四国ではまだ確認されていなかった外来種の「マツヘリカメムシ」を見つけ専門誌に掲載されたことがきっかけでした。
(田村茉織さん[2022年])
「(Q.名前つけます?)つけない。(Q.なんで?)名前つけても次の日には普通にマツヘリカメムシって言ってるかもしれないから」
小学生時代の茉織さんは、見つけたカメムシを標本にして大きさや特徴を書いたレポートをまとめるなどこつこつ研究していました。
あれから約3年半、これまでは家周辺での研究が中心だった茉織さんの活動は、中学校にも広がりました。
(大手前高松中学校1年/田村茉織さん)
「(Q.これなんですか?)大手前で見つけた昆虫」
全て中学校の敷地内にいた虫でつくった標本だそうです。
(大手前高松中学校1年/田村茉織さん)
「半分から下のここら辺の虫って何だと思いますか? これ全部カメムシ目の昆虫なんです!」
中学生になった今でも一番好奇心がそそられるのはやっぱりカメムシ。一方で、部員以外にも虫好きを増やそうと樹脂で虫を封入するなど標本の工夫に力を入れています。
(大手前高松中学校1年/田村茉織さん)
「手にとって見られるし、虫が嫌いな人でも全然固められてるから。さすがにこれを手で触って見ましょうとかは無理。これなら……」
この日の放課後は、茉織さんの標本を囲んで生物部の部員と虫トークが始まりました。
(大手前高松中学校1年/田村茉織さん)
「この中で一番臭い虫って何だと思いますか? 正解は、言い切るのは難しいんですが、ゴミムシの仲間です。これ、3カ月くらい前に捕まえたんですけど、まだ臭い残ってるんです」
(茉織さんの先輩[高2]/四軒家瑠哉さん)
「苦しめられましたね、だいぶ」
(茉織さんの同級生[中1]/森田康介さん)
「(Q.なんで苦しめられたの?)ずっと臭いが残って、捕まえる時についうっかり触ってしまって」
同じような経験を持つ部員と1時間以上も話し込みました。
(茉織さんの先輩[高2]/四軒家瑠哉さん)
「ただでさえ虫好きの子少ないんで、虫好きの子がおってくれるだけでちょっとうれしい」
(茉織さんの同級生[中1]/森田康介さん)
「クラスでもあんまり1人とか2人だけなんで、話せる人がいっぱいおったら楽しいんで」
中学校に入ってからは生物学の学会に参加するなど、同じ興味を持つ部員と生き物についてさらに深く学び続ける茉織さん。
それでも伝えたいことはやっぱり…
(大手前高松中学校1年/田村茉織さん)
「一口にカメムシと言っても、大きかったり小さかったり食べるものが違ったり。私はカメムシがバリエーション豊かなことを伝えたい」
(2025年9月9日放送「News Park KSB」より)