岡山市が計画している新アリーナ。「なぜ今必要なのか」との市民の声もある中、事業化の是非を問う補正予算案が17日に市議会で採決されます。計画を考える上でのポイントを整理しました。
岡山市は北区野田に約280億円をかけて最大1万席のアリーナの整備を計画しています。市民からは整備の必要性を問う声も上がっています。
(80代)
「『これをどうして急いで今つくるの?』と皆さんとよく話をする」
(30代)
「今、運動公園(シゲトーアリーナ岡山)もそこまで人が入っている印象がなく、それで新しいのをつくっても」
なぜ、今新たな施設が必要なのか。市の担当者は既存の体育館との「役割の違い」を強調します。
(岡山市スポーツ振興課/吉田武生 課長)
「シゲトーアリーナもアリーナだが、あそこは『する体育館』。今回は『観るアリーナ』『魅せるアリーナ』。興行に対応できるもの」
新アリーナはバスケットボールやバレーのトップリーグが定める施設基準を満たす、県内初の施設になります。
さらに、床をコンクリート製とし大型車両の乗り入れを可能にするなど大規模ライブの誘致も見据えています。
一方、根強いのが「将来の負担」への不安です。
(30代)
「それをつくってどれだけ活用していけるのか。住民の負担にならないのか心配」
(60代)
「物価も上がっているし、後からなんでこんなものをつくったか、他にも箱物をして失敗している」
市は、建設費はかかるものの、維持管理については運営を民間に委ねるため負担はないとしています。
(岡山市スポーツ振興課/吉田武生 課長)
「民間活力にお任せして、民間企業が稼いで、稼いだ分を岡山市に還元してもらう。次の時代の負担になるような施設になることはないだろう」
しかし、近隣の高松市や神戸市にもアリーナがオープンしていて、厳しい集客競争が予想されます。
アリーナ整備に詳しい専門家は、興行主から「選ばれる施設」にする必要があると指摘します。
(びわこ成蹊スポーツ大学/間野義之 教授)
「日本中のアリーナでそれなりの人数を集められるアーティストの取り合いが始まる。選択権はアーティスト側、音楽ライブの興行主にあるので、使いやすくできているかというのがポイント」
事業化に向けた予算案が市議会で認められるのか。17日の採決で計画は大きな節目を迎えます。