暮らしに密着した経済の話題を取り上げる「暮らし×経済」、今回は「コメの価格」についてです。
農林水産省の発表によると、全国のスーパーでのコメの平均販売価格の推移は、1月4日までの1週間の価格は5kg4416円で最高値を更新しましたが、11日までの1週間の価格は4267円と前の週より150円ほど値下がりしました。このまま価格は下がるのでしょうか。
価格は下がるが、購入の動き鈍く
(松木梨菜 リポート)
「岡山市北区のスーパーでも値下げの動きが出てきています」
19日、岡山市北区のグランドマートではコメ5kgが最大で400円ほど値下げに。5kgで税込み4300円を切りました(一部商品)。
(グランドマート/岡本和恵 取締役)
「おコメ屋さんの方から在庫が困っているんだと相談があって。それだったら下げませんかという話で交渉をして下げられることになりました」
(買い物客は―)
「ありがたいです。やっぱり一番安いのを、国産を買ってしまうので」
「前より落ち着いてきたという印象がありますね。高かったときは週に2回はうどんとか小麦製品の日にしようと決めてたんで、今はそういうのを気にせずにおコメ食べようって感じで」
こちらのスーパーでは4000円近くまで値段が下がったのは、2025年2月以来とほぼ1年ぶり。ただ、値下がりしても消費者の購入の動きは鈍いようです。
(グランドマート/岡本和恵 取締役)
「不思議ですよね。あれだけないない言っていたのが、ないってときに皆さんためて買われてたのが多いみたいで、安くなって買いたいんだけど家にあるっていうお客さんの声も聞くので。もう少し下がってくる価格にはなってくるんじゃないかなと」
在庫は過去6年で最多 3月以降は価格下落が加速か
こうした中で1月8日、コメの取引業者などで作る団体米穀安定供給確保支援機構が、向こう3カ月間のコメの価格の指標を発表、下落する見通しがさらに強まるとしています。
コメの価格を研究する専門家も今後、さらに下がるとみています。
(ニッセイ基礎研究所/小前田大介さん)
「3月に集荷業者も卸業者も決算期を迎え、決算期に向けて在庫を現金化しておきたいと働くと思うので、3月にかけては値下げ圧力はかかってくると思います」
ようやく下がる傾向が見えたコメの価格ですが、在庫がここ数年で最も多くなっています。収穫量をみてみると、2025年産の主食用米の収穫量の見込みは746万8000tと前年と比べて1割ほど増加し、2017年以降最大の収穫量になる見通しです。
なぜここまで増えたのかというと、農水省は2024年のコメ不足を受けて主食用米の作付面積などが増えたことが大きいとしています。
そうした中で卸業者などの販売段階での玄米の在庫量をみると、最新のデータでは2025年11月に82万tと過去6年の同じ時期でみると、在庫は最も多くなっているのが分かります。
これほどの在庫を卸業者などは今後売っていかなくてはいけないので、専門家は今後の価格の見通しについて3月までに5kgあたりだいたい4000円ほどに、そして気温が温かくなる3月以降は冷蔵代もかさむことから在庫を手放そうとする動きが加速し3500円ほどになるとみています。
来シーズン以降は再び価格高騰の可能性も
しかし、来シーズンは価格がまた上がるのではないかとの見方もでできています。
岡山市東区でコメを栽培している農園では……
(一所懸命農園/岩本英隆 社長)
「今後売っていくコメですね。お客さんの分だけ保管してます。おコメ屋さんだったりとか、仲卸でしたりは去年に比べたら今年は動きが鈍いっていってましたね」
今後の価格の下落によって来シーズンは、作付けを減らす動きも出るのではとみています。
(一所懸命農園/岩本英隆 社長)
「よそも(作付面積を)みんな増やしてると思いますね。おコメの値段が下がると作付けもいいわってなってまた減ってくるんじゃないかと。(価格が)また上がるんじゃないですかそしたら」
もし生産量が減ればまた価格が上がることにつながります。
(ニッセイ基礎研究所/小前田大介さん)
「天候不順とか予想できない部分があるので。需要量を下回ってしまう時がくると価格が高騰することはありえる」
価格が高騰すればコメ離れも心配されます。小前田さんは新たな形での販路を見出し、一定の生産量を維持することが必要だと考えています。
(ニッセイ基礎研究所/小前田大介さん)
「たとえば米粉とか。日本国内にとどまらず米粉という形で海外に売っていくのはありなんじゃないかと思っている」
令和のコメ騒動から始まったコメ価格の変動ですが、選挙が控える中、暮らしの負担減につながるような政策を待ちたいと思います。
(2026年1月21日放送「News Park KSB」より)