岡山大学や北海道大学などの研究グループは15日、原子レベルで酵素の形と動きを調べ、組織侵襲性細菌がコラーゲンを連続して細切れにする仕組みを明らかにしたと発表しました。
研究成果は2026年4月2日、イギリスと総合科学誌「Nature Communications」に掲載されました。
糖尿病の治療の一つに、膵臓の中にあるインスリンを作る細胞の塊「膵島」をドナーから移植する方法があります。膵臓から膵島を分離するためのタンパク質分解酵素として、細菌性コラゲナーゼというコラーゲン分解酵素が働きます。
研究グループは3重らせん構造のコラーゲンを「細切れ」にする仕組みを電子顕微鏡で観察し、コラゲナーゼのドーナツ状になっている部分にコラーゲンを取り込み、らせん構造を緩めて1本を切断し、残りの2本をレール代わりにして進みながら切断を繰り返すことを確かめました。
一方向に進みながら3重らせんをほぐして切断する「ラチェット・ウォーキング型」のコラーゲン分解は、ヒトや動物のコラゲナーゼの分解とは異なっていると考えられます。
研究グループは、研究成果を元に酵素の改良設計を行うことで、幹細胞の分離や人工組織の形成など、移植再生医療の分野で幅広く応用が期待できるとしています。