シリアの反体制派による攻勢で政権が崩壊した後、ロシアに亡命したアサド前大統領が初めて声明を出し、「出国は計画されたものではない」と主張しました。
アサド前大統領は16日、通信アプリで政権崩壊後、初めて声明を出しました。
それによりますと、「シリア出国は計画されたものでも、一部の人々が主張するように戦闘の最終局面に実施されたものでもない」と訴えています。
そのうえで、「私は12月8日の未明までダマスカスにとどまり、任務を遂行した」と主張しています。
アサド前大統領はその後、ダマスカスからシリア北西部にあるロシア空軍基地を経由して8日のうちにモスクワに亡命しています。
この亡命に関しては親族や側近も知らされていなかったとロイター通信が報じています。
政府軍の幹部らには、前日の7日に後ろ盾のロシアから「軍事支援がくる」とだけ伝えていたということです。
執務後に帰宅する旨を伝えた後、実際には空港に向かったとしています。
妻子はその前にモスクワに到着していたということです。
亡命を知らなかった弟はヘリコプターでイラクに向かい、その後、ロシアに入ったとされています。
いとこ2人は陸路でレバノンに逃げようとしましたが、反体制派の武装勢力に待ち伏せされ、1人は射殺されたとの情報もあるということです。
一方、プーチン大統領はアサド氏について、現時点で一切コメントしていません。