フジテレビへのCM差し止めが少なくとも50社となるなか、村上総務大臣がフジテレビの会見後、初めて言及しました。
■「早期に調査を」 総務大臣言及
村上誠一郎総務大臣 「フジテレビが独立性が確保された形でできる限り早期に調査を進め、その結果を踏まえ適切に判断、対応することでスポンサーや視聴者の信頼回復に努めていただきたい」
総務省が望んでいるのは迅速な調査です。
タレントの中居正広さんの女性トラブルに局員が関わっていたのか、フジテレビは第三者の弁護士を中心とした調査委員会を新たに立ち上げることを発表しています。
「スピード感を持った真実解明」を17日の会見で掲げていましたが、詳しい調査体制は固まり次第、明らかにするとしています。
■フジ会見に海外メディア反応
こうした日本のテレビ局の動きを世界が驚きをもって伝えています。
Le Figaro(17日付) 「日本の主流メディアの惰性」 「金曜日、フジテレビの社長はカメラを使わずに密室での奇妙な記者会見で釈明らしきものを試みた」
韓国のスポーツ紙ウェブ版(20日付) 「中居正広氏の女性問題で日本の大企業がフジテレビ広告を“ボイコット”している」
先週の会見以降、CMの放映を見送ることを決めた企業は増え続けています。
21日午後4時までに少なくとも50社、自動車メーカーや大手コンビニ、銀行など幅広い業種の企業がCMを公共広告に差し替えるなどの対応を取ると明らかにしています。
■中居正広さん ラジオ番組終了
一連の騒動の余波はスポンサー企業にとどまっていません。
ニッポン放送は中居正広さんが30年近く続けてきたラジオ番組を終了すると公式ホームページで明らかにしています。
ニッポン放送ホームページ 「現在の状況を総合的に判断し番組を終了することにいたしました。尚、中居正広氏ご本人からも出演辞退の申し入れがございました」
さらに、消防庁のキャンペーンも変更を余儀なくされています。
総務省消防庁 「フジテレビをとりまく目下の状況など諸般の事情を踏まえ、広報について適切なタイミングをもう一度検討します」
総務省消防庁はフジテレビのドラマ「119エマージェンシーコール」とタイアップしたPRポスター5500枚を20日から全国の消防本部などに配布する予定でした。しかし、一連の問題を受けて配布の延期を決めました。
中居さんの女性トラブルを発端に影響が広がり続けるなか、かつての後輩がこうコメントしています。
櫻井翔さん(42)日本テレビ「newszero」出演時(20日) 「まずは何よりもトラブルに巻き込まれた女性の方のケア、配慮が何よりも最優先されます」
20日、日本テレビの報道番組に出演したタレントの櫻井さん。番組内で自らの思いを語りました。
櫻井翔さん 日本テレビ「newszero」出演時(20日) 「自分も芸能界に身を置くものとして、テレビ局と芸能界との関係について問題があれば見直しに向けて自分もできることをしていきたいと思います」
■元フジ黒岩知事も騒動に言及
元フジテレビ社員の神奈川県黒岩知事は定例会見で厳しい言葉を投げ掛けています。
元フジテレビ社員 神奈川県 黒岩知事 「どこかの企業が不祥事を起こした時は真っ先に記者会見をやってくれと迫った方ですよね。それが逆の立場となった時にテレビカメラを入れない、映像も撮らせないという意思決定が行われたこと自体信じられない」
様々なところに影響が波及していますが、特に顕著なのは、やはり相次ぐCMの差し止めです。なぜCMを差し止めたのか、企業を取材しました。