秋田県男鹿市で、下水道管の工事をしていた作業員3人がマンホールの中で倒れているのが見つかり、死亡しました。
■作業員3人死亡 原因は酸欠やガスによる可能性
7日、男鹿市で、下水道管の補修工事をしていた作業員3人がマンホールの中で意識不明の状態で発見され、その後、搬送先の病院で全員の死亡が確認されました。マンホールは、ふたの内部の直径がおよそ90センチ、深さは3.5メートルほどで、発見された時、3人は重なるようにして倒れていたということです。
工事を発注した秋田県は…。
下水道マネジメント推進課 熊谷聡政策監 「通水試験を行っていた時に起きた事故なので、管内にたまっていたガスが流れた可能性も考えられる」
県によりますと、補修工事は漏水があったために行われたもので、作業自体は6日でおおむね終わっていました。7日は水を通して漏水がないかなどの確認作業にあたっていたということです。
県は3人が死亡した原因について、酸欠やガスによる可能性を挙げています。
熊谷政策監 「実際に作業に入る前に探知機でガスがないことを確認して作業に入っていますので、ガスマスク等をつけてまでは作業をしていない。有毒ガス以外にも酸素濃度も測定していますので、酸素濃度が十分あるという認識で作業を行っている」
下水道のシステムに詳しい専門家は、水を通す際の危険性について、こう指摘します。
東京大学大学院 都市工学専攻 加藤裕之特任准教授 「硫化水素みたいなのが問題だとすれば、下水を止めていたことによって、どこかその場所ではない上流のほうで水をためていたとすると、そこで硫化水素濃度が高くなって、高くなったものを開放することでマンホールに流れてきた。それを吸った可能性はあるかもしれませんね」
■下水道管の一斉調査へ 国交省案
埼玉県八潮市の「下水道管の老朽化」による陥没事故を受け、国土交通省は今月、下水道管の一斉調査の実施案を発表しました。
今後、各地で調査が行われることを踏まえて、専門家はこう警鐘を鳴らします。
加藤特任准教授 「下水って基本的に止められないものなので、止めるとやっぱり硫化水素が発生しやすいってことがあるので、補修工事の仕方というのにも、安全を配慮すべきだっていうのは、全国的に言えることではあるんじゃないですかね」
(「グッド!モーニング」2025年3月8日放送分より)