ウクライナ軍が越境攻撃を続けるロシア西部のクルスク州で、兵士1万人が包囲の危機にあるとイギリスメディアが報じました。ウクライナは停戦交渉での最大の切り札を失う恐れがあります。
イギリスのテレグラフ紙は7日、ロシア西部クルスク州の国境付近の町・スジャで、ロシア軍がウクライナ軍の防衛線を突破したと伝えました。
ウクライナ軍は去年の夏にクルスク州への越境攻撃を仕掛け、スジャを占領していましたが、ロシア軍が補給路に進軍し、2つに分断されているということです。
ウクライナ軍が制圧しているスジャへの唯一の道がロシア軍無人機の射程圏内で、撤退も困難になり、ウクライナ軍兵士1万人が包囲の危機にさらされているとしています。
アメリカからの情報共有の停止でウクライナ側の監視能力が弱まったところで、ロシア軍は主要道路への攻撃を開始したということです。
ロシア領であるクルスク州を占領していることはウクライナにとって停戦交渉での大きな切り札ですが、欧米の複数のメディアはウクライナが近く、クルスク州からの撤退を余儀なくされる可能性があると指摘しています。