3日から4連休。今しか食べられない「幻のグルメ」があるのです。
■今だけとれる“幻のエビ”
食べられるのは今だけ。流通量はごくわずか。そんな幻のエビとタケノコがあるのをご存じでしょうか。果たして、その味は…。
まずは「幻のエビ」を求めて鳥取へ。漁港で話を聞いてみると…。
地元の漁師 「高いでモサエビ。イセエビよりモサエビの方がうまいで」
幻のエビは地元ではモサエビと呼ばれていました。正式名称「クロザコエビ」ですが、頭がゴツゴツしていて荒っぽい見た目から「猛者」と呼ばれるようになったといいます。
気になるその味は…。
地元の漁師 「(Q.どんな味?)甘い」 「甘いでぇー。甘い甘い。すごく甘い。(甘エビ)あれよりもっと甘い」
甘エビをしのぐほど甘いといいます。その甘さが漁師の舌すら魅了していました。
地元の食材が並ぶ鮮魚店に行ってみますが…。
アミオフードセンター 網尾浩樹さん 「(入荷)頻度は本当に少ない。週に1回あるかないか」
さらに取材を進めて港の市場へ行くと、ついにモサエビを発見。大ぶりな身に角張った頭が猛者を思わせる力強さを感じさせます。
他の地域でお目にかかれない理由が…。
鳥取県漁協 JFかろいち店 宮崎尚史さん 「酸化して黒くなる。鮮度が落ちやすい」
鮮度の劣化が早いことから、地元以外にめったに出回らないと言います。まさに鳥取に秘められた幻の食材です。
観光客はどこで新鮮なモサエビを食べられるのでしょうか。
鳥取県漁協 JFかろいち店 松本健一店長 「道の駅で提供している」
たどり着いたのは海沿いの道の駅でした。幻のエビをはじめ、地元の海の幸をぜいたくに使った海鮮丼が提供されています。
食べた人 「エビの味がしっかりしている。お米と食べるとよりおいしい」 「めちゃくちゃ甘い。ぷりぷりで完璧。エビ界一」
■今だけ“幻の白タケノコ”
幻の食材は京都の山にも。取材班は午前6時、まだ薄暗い竹林の中にいました。
いせき筍ファーム 伊関博臣さん 「どこにあるか探すのが非常に難しい。これはもう地上から出てしまっているのでえぐみが強い」 「(Q.これは白タケノコとはいえない?)我々としてはこれは販売しない」
農家とともに探しているのは“幻”ともいわれる希少な「白いタケノコ」です。
伊関博臣さん 「まだこれは小さい…」
お目当てのタケノコはなかなか見つかりません。それもそのはず、幻と呼ばれるほど白いタケノコがとれる条件が厳しいのです。
いせき筍ファーム 伊関博臣さん 「地上に出ると竹に近付いて黒っぽくなってしまう。地中から掘ると真っ白できれいなタケノコがとれる」
タケノコは地上に出ると日光にさらされ、皮が茶色くなり身が固くなります。一方、白タケノコは地上に出る前に収穫されるため、名前の通り身が白いのです。
広大な竹林を探しても数本しかとれない日もあるそうですが、地面に目をこらしながら竹林を探し歩きようやく…。
取れたのは長さ30センチほどの巨大白タケノコ。普通のタケノコと比べると、その白さが際立ちます。
いせき筍ファーム 伊関博臣さん 「様々な地方でやられていますが、(白タケノコは)1、2%ぐらいのものだと思う。デパートだったら6000から1万円ぐらいの価格」
そのお値段も幻級。白タケノコでは成分の生成も抑えられるため、下処理なしでもあくが少なく甘みが強いそうです。
大阪から来た人(40代) 「甘い、甘いわ。普通はゆでないとあく抜きできないけど」
滋賀から来た人(60代) 「甘いです。初めて食べたこんなの」
幻の食材はどんな料理に生かされるのか。白タケノコの煮物などを提供する飲食店が関東にありました。
「弥藏」深町佳津仁店主 「アクが少ない。包丁入れた時も柔らかい。扱いやすい。やっぱりそこらへんに売っているタケノコとは全然違う。それに尽きる」
初めて食べたという人は…。
初めて食べた人 「すごく柔らかいです。なんだろう…普通のタケノコのシャクシャクという感じと違う。もっと柔らかさがあっておいしいです」
知る人ぞ知る幻の食材。あなたの旅先にも待っているかもしれません。