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川崎・女性死体遺棄 警察と遺族 食い違う主張なぜ 対応に問題は?

社会

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 川崎市の住宅から女性の遺体が見つかった事件。ストーカー被害の相談を巡って警察と遺族の間で主張が食い違うなか、警察の対応に問題はなかったのでしょうか。

■失踪当日に話した“男の説明”

 5日午後、岡崎彩咲陽さんの遺体が祖母の家へ。無言の帰宅となりました。

 5日、遺体遺棄の疑いで送検された白井秀征容疑者(27)。

 元交際相手の岡崎彩咲陽さん(20)の遺体を自宅に遺棄した疑いが持たれています。

 捜査関係者によりますと、岡崎さんが失踪した当日の朝について、こう話していることが分かりました。

白井容疑者 捜査関係者への取材 「岡崎さんの職場の近くに会いに行ったが会えなかった」

 3日、羽田空港で任意同行された白井容疑者。その後、遺体を遺棄した疑いで逮捕されます。

白井容疑者の供述 「間違いありません」

白井容疑者の知り合い 「仕事はうまいし、なんでもできるし。けんかっ早いのは聞いていた。先輩ともめるとか」

 同じ日、遺体は行方不明となっていた岡崎さんと判明。

 遺体が発見された白井容疑者の自宅。5日も献花は絶えません。

献花に訪れた人 「運動神経よくて、とても元気な子」

岡崎さんの父親の友人 「やばいやつと付き合っているとは言っていた。一緒に抗議も行っているが警察は何も答えない」

■警察の対応に問題は?

 岡崎さんの家族や知人は警察の対応に怒りをにじませています。

岡崎彩咲陽さんの父親 「僕は何回もストーカーで捕まえてくれと(警察に)何回も言っていた。捜査の方法が間違っているから娘は死んだと思っている。だから絶対に許さない」

 ただ、警察の認識は違います。

警察 「ストーカー被害の相談を受けていたという認識はない。今回の事案については重大な結果になってしまったと受け止めている」

 また、別の捜査関係者は…。

捜査関係者 「ストーカー事案ではなく『DVが疑われる事案』として認識していた」

 親族によりますと、2人が交際を始めたのは去年の春ごろ。数カ月で別れた後、ストーカー行為が始まったそうです。

岡崎彩咲陽さんの父親 「1年くらい前に交際していたみたいだけど、別れてそこからストーカーみたいになった。毎日、欠かさずずっと来ていた」

 去年9月には彩咲陽さんが白井容疑者と会った際、「刃物を向けられた」と申告、被害届を受理します。ただ、その後に被害届は取り下げられます。

警察 「元交際相手(白井容疑者)と復縁していた被害者が『事実と異なる説明をした』として被害届を取り下げ、(中略)警察としては両者と話をし、またそれぞれの家族とも話をするなど、被害者の意向も確認しながら必要な措置を講じてきた」

 彩咲陽さんの親族は白井容疑者が取り下げるように脅していたと話します。

岡崎彩咲陽さんの親族 「警察に被害届出しに行った。そしたら白井に見つかって、被害届取り下げなかったらお前殺すって言われて。なんか連れ回されて怖くなって、警察に行って被害届を取り下げに行った」

藤田・戸田法律事務所 藤田香織弁護士 「一般論として私が事件を受けていると、DVの被害者は色んな状況の変化とか脅されて、あるいは自分の気持ちとの関係で被害の可能性が減ってないにもかかわらず被害届を取り下げることはすごく多い。だけど、まだDVの危険は残っていることは多い。特にDV事案、ストーカー事案については被害者が被害届を取り下げたからといって、すぐに危険がなくなったと断じるのは早計かなと思う」

 その後も白井容疑者とみられる人物が周辺をうろつくなどのストーカー行為は続きます。

 動画が撮られた8日後、彩咲陽さんは行方不明に。親族らは警察に訴えます。

彩咲陽さんの親族 「こっちで集めた証拠を警察が調べて色々見て事件性がないと判断した。『これじゃちょっと証拠が弱い』と。本当にただただつらいというか怒りしか出てこない」

 警察は白井容疑者に事情聴取をしていました。

白井容疑者(捜査関係者への取材) 「自分も心配で捜している。知らない」

 7回目の聴取では「つきまといをしたことは間違いない」と話したそうです。

 また、行方不明から2日後に警察が白井容疑者の自宅を任意で捜査しました。ただ、遺体が見つかった床下収納のある部屋は親族が食事中だと申し立てがあり、捜査はできませんでした。

白井容疑者(警察によると) 「そこはやめてくれ」

 その後、ストーカー規制法違反の疑いで家宅捜索。遺体を発見し、今月3日に容疑者が逮捕されることになります。

知人 「もうちょっと早かったら助かったのではと思うと悔しいし、怒りしかない」

 当初、ストーカー事案としての認識はなかったとする警察。なぜ、こんなにも時間がかかったのでしょうか。

藤田・戸田法律事務所 藤田香織弁護士 「ストーカー行為の規制については警察が警告を出さないといけないし、警察が動いて禁止命令を出してもらわないといけない。うがった見方かもしれないが、ストーカー規制法については警察がかなり主体的に動かないといけない。ストーカー規制法で動くことを警察がちゅうちょしたのかなと想像する」

 警察は彩咲陽さんの死亡に関与した可能性を視野に調べを進めています。

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