シリーズでお伝えしている、ゴールデンウィークに楽しみたい瀬戸内国際芸術祭。今回は暮らしや自然、そして芸術が混ざりあう島、岡山市の犬島をご紹介します。
岡山市東区の宝伝港から船で10分。岡山市で唯一人が暮らしている島、「犬島」です。かつて銅の精錬で栄えたこの島には、今でも面影が残っています。
そんな犬島で展開されている「犬島『家プロジェクト』」は、6カ所あるかつての住宅などを活用したプロジェクト。島の日常や自然と混ざり合ったアートを鑑賞できます。
幾何学的な形で表現
(記者リポート)
「こちらの作品、こうして中に入ることもできます。入ると声が反響して面白いです」
作者の出身地、ブラジルの植物の生命力と犬島の自然や暮らしにつながりを見出し、幾何学的な形で表しています。
(岡山市から)
「中から見たら外が見えて面白いなと思いました。いろんな作品がいろんな場所でやっているのが面白い」
光の入り方によっては地面に映る様子も楽しめます。
見えないはずの後姿が…
(記者リポート)
「穏やかで美しい海が広がっています。天気が良くて気持ちが良いです。そんな海のそばにも作品があります」
3つの鏡を向き合うように置いた作品。のぞくと、自分の正面の姿だけでなく、本来見えないはずの鏡を見ている自分の後姿も映ります。
不思議な感覚にとらわれ、手を振ってみる鑑賞者も。見ることと同時に見られることを体感できる作品です。
(神奈川県から)
「楽しかったです。鏡を見たけれど自分の後姿が映って、ちょっと面白いなと思いました」
外の庭も作品の一部。立つ場所によっては、かわいらしい花々が咲く風景も鏡に映ります。
「行動する」庭
植物園も作品の一つ。犬島には「家プロジェクト」の他にも見どころが。2016年に東京から犬島に移住した作家が手掛けています。
(「犬島くらしの植物園」を手掛ける/橋詰敦夫さん)
「『見る』というよりも、どんどん植物に触れてほしいし、中に入ってほしいし、 『見る』庭というよりは 『行動する』庭という形。それでコミュニケーションがおこってコミュニティになる。犬島自体は何もない、そこが魅力だし、歩いて全周楽しめる、そこにいっぱいアートがあったり島の人の営みがあったり、あるいは花やらいろんな植物があったり。島の中に入って一緒に体験するというようなことを楽しめる島にしていきたい」