備蓄米のさらなる追加放出に「転売禁止」。政府が次々打ち出す対策でコメは安くなるのでしょうか。
■さらに“備蓄米”放出
大分県のドラッグストア「コスモス」。店頭に初めて随意契約で仕入れた備蓄米が並びました。
しかも2000円を切る価格。販売数は40袋。事前の告知はなく、買えるのはたまたま来た客だけです。
なかには備蓄米だけでなく、まとめ買いする人も。
偶然の出会いが相次ぎ、用意された40袋はわずか2時間で完売しました。
一方、北の大地・札幌市では備蓄米の販売3日目も、朝から整理券の列が絶えません。
備蓄米フィーバーが続くなか、小泉農林水産大臣はさらなる放出を発表。今度は2020年産と2021年産の合わせて20万トンです。
小泉進次郎農水大臣 「これは追加要望があったから追加放出をしたわけではなくて、今現実を見れば、データを見れば、中小スーパーはまだ応募枠が空いていると。ただ町のお米屋さんも上限はヒットしていると。最初の1回目の随契の大手小売りもヒットしていると。世の中に出回った部分は売り切れが発生する。こういったところに対して目詰まりなく、切れ目なく提供していく」
そして、11日午前10時。新たな随意契約の販売申請の受け付けが始まりました。
前回、買い手がつかなかった約2万トンと合わせて12万トンの2021年産の“古古古米”が対象です。
小泉進次郎農水大臣 「11日の午後2時時点で合計71社、約4万トン。数量に関しては精査しますけど現状はそういうところ。大手16社、中小のスーパー25社、まちのお米屋さんが30社。やはりニーズが非常にあるなという印象」
小売業者の動きも加速しています。イオングループが5000トン。セブン-イレブンが50トンを申請しました。ただし、すべての事業者が簡単に参加できるわけではありません。
中小の小売業者は、年間のコメの取扱量1000トンが条件です。
静岡で5店舗を展開する中規模スーパー「ヒバリヤ」。前回の随意契約では申請を断念していました。
ヒバリヤ 岸山和弘社長 「我々みたいな地方の中小ローカルスーパーにはハードルが少し高かったのかな」
そこで今回、同業者との共同購入を決断しました。
「ヒバリヤ」営業本部 山岸達也社長 「あしたのやつ(随意契約)って手を挙げる?うち1社だと(年間取扱量が)600トンなので1000トンいかない。合同で買い付けしたら御社と弊社で」
共同購入を打診したスーパーと合わせると条件を満たし、ヒバリヤは20トンを申し込みました。
■備蓄米の高額転売 実情は?
一方で、この安すぎるコメに新たな懸念も…。
小泉農水大臣は10日に…。
小泉進次郎農水大臣 「現時点で報告できることの1つが転売防止措置。これが転売規制の最も強い措置になるので、今週中の閣議決定を目指し作業をしている」
政府はコロナ禍のマスク転売と同様に、転売行為に対して1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金を想定しているといいます。
ヤフオクやヤフーフリマなどを運営するラインヤフーの担当者に話を聞きました。
LINEヤフー リユース統括本部長 林啓太氏 「今回の備蓄米に関しても転売禁止の対応を取っている」
ヤフオクやヤフーフリマでは、先月から備蓄米の出品を禁止する取り組みを始めていました。
LINEヤフー リユース統括本部長 林啓太氏 「出品時に検知できるものは、『出品できません』とアラート。ユーザーに『出品しないで…』と促している。普段のパトロールをやりながら見つけ次第、削除する対策も。見つけて削除するまでどうしても時間がかかるので、検索結果から表示をさせないような対応も取っている」
また、メルカリや楽天のフリマサイト「ラクマ」でも備蓄米の出品を禁止する取り組みを行っています。
各社の対策に一定の効果があるようです。
こうした状況で、さらなる措置を検討するとした小泉農水大臣。その理由については…。
小泉進次郎農水大臣 「転売などを確認してからでは対応が遅いと。やれる限りのことは最大の措置を先手先手で打っていく。今、着々と準備が進んでいる」