今、SNS上では、意図的に作られた嘘の情報や事実と異なる誤った情報による波紋が広がっています。AI(人工知能)の進化によって複雑な動画やイラストも簡単に作れるような現状に、危機感を抱く人も増えています。
誰もが動画や画像を作り、クリエーターになれる時代。その一方、新たな問題も…。
漫画家の樋口紀信さん。大手出版社から単行本も出しています。
去年、ネットに投稿されたイラストにショックを受けました。
漫画家 樋口紀信さん 「髪を画像素材として前髪を作っていて、これを使いまわしているので(AIの画に)よく出てしまっている」
自分の作風に近いイラストを作れる生成AIを知らない間に作られ、ネット上で公開されたといいます。
樋口紀信さん 「デジタルの作画をしているうえで(ペンの)ストロークをシュッとするとそれで髪の毛が描ける。この後ろの髪も全部そうやって描いているんですが、そういう意味で言うと…この髪とか(似ている)」
実際に、樋口さんの作品をAIが学習したかどうかは分かっていません。
生成AIはネット上からは削除されました。
樋口紀信さん 「私の絵柄を使って他の人を誤解させるようなことをされて、連載に影響するんじゃないか?というような、そういう恐怖もある」
専門家は…。
AIと著作権に詳しい 福井健策弁護士 「(AIに)学ばれたクリエーターが一生かかっても生み出せないような量の作品を(AIが)生み出しているかもしれない。クリエーターを本当に潰してしまいかねない。作風を学ぶためのAI学習は原則できるよという整理に、今、日本の政府はしているけれど、それは現実を見ながら見直しをしていく」