農林水産省は政府のコメの安定供給に関する関係閣僚会議で、需要の見通しを誤った結果、コメの価格高騰を招いたとする検証結果を示しました。
小泉農水大臣 「本来であれば予断を持たずにリアルタイムで消費の動向を含めて把握すべきところでしたが、そこの判断を見誤ってしまった。こういったことが要因なのは間違いないと思います」
農水省によりますと、猛暑による精米の歩留まり悪化や1人あたりの消費量の増加、インバウンド需要の増加により、最大で50万トン程度コメが不足していました。
需要が減少していくというこれまでの傾向を変更しないまま実態とかけ離れた需給の見通しを作成し、価格の高騰を招いたとしています。
集荷業者や卸などが在庫を抱えていたとする当初の主張に対しては検証の結果、証拠や確証がなかったとしました。
政策の失敗については「誰に責任があるのか明確に申し上げられる段階ではない」として言及を避けました。
農水省は今後、さらに検証を進めたうえで、10月までには実態に即した幅のある需要見通しを示したいとしています。
事実上、長年減反を続けてきた日本のコメ生産は一転して増産に舵(かじ)を切ることになり、大きな転換点を迎えました。