近代絵画などを多く収集する宮城県美術館のコレクションを紹介する特別展が岡山県立美術館で開かれています。
眠っているかわいらしい猫。長谷川潾二郎の「猫」(1966)をよく見ると……。
(鑑賞者)
「ひげが片方ない。まとまっている、ひげがなくても」
実は、絵の作者はかなりゆっくり仕上げる人で、しかも目の前に対象がないと描けないタイプだったとか。真偽のほどは分かりませんが、ひげを片方描く前にモデルの猫が死んでしまったとのエピソードが残っています。
岡山市北区の岡山県立美術館で開かれている「響きあう絵画 宮城県美術館コレクション」です。
地元ゆかりの作品や近代以降の国内外の作品を数多く収集している宮城県美術館。現在、改修のため休館中の宮城県美術館から珠玉の作品、約70点がやってきました。
日本洋画の先駆者の一人「鮭」の絵で知られる高橋由一が宮城県の依頼で描いた明治時代の県庁舎。(高橋由一「宮城県庁門前図」1881年)
県庁舎は江戸時代、仙台藩の学問所だった建物。明治になって取り付けた白い洋風の門との取り合わせがおもしろい作品です。
宮城県美術館は近代ドイツの作品も多く収集しています。
抽象絵画の生みの親とも言われるヴァシリー・カンディンスキーの作品は、色と形が不思議に響きあっているようです。(「E.R.キャンベルのための壁画No.4」の習作 カーニバル・冬 1914年)
描かれているのは舟でしょうか、黙示録に関連するモチーフの名残だとも言われています。
(岡山県立美術館/橘 凛 学芸員)
「普段は行けないような場所から、たくさんいい絵が岡山に来ているので楽しんでいただきたい」
多彩な絵画作品が集まるこの特別展は8月24日まで開かれています。