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日本赤十字社で不祥事続出 ミスで血液製剤39人分廃棄 使用済みの注射針を別の人にも

社会

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 日本赤十字社が19日に会見を開き、献血で得た血液製剤の取り扱いなど不適切な事例が5件相次いでいることを公表しました。なかには採血の針を誤って別の人に使い回したケースもありました。

■日本赤十字社 献血で不祥事相次ぐ

日本赤十字社 紀野修一血液事業本部長 「国民の皆様に、深くおわび申し上げます」

 国民の善意で集めた献血。その血液を不適切に扱ったとして日本赤十字社が謝罪しました。

日本赤十字社の会見 「続けて発生している事態について、概要及び再発防止策についてご報告いたします」

 ことの発端は今年5月。冷凍庫が故障したため血液製剤およそ1万3700本が輸血に使えなくなった事案です。

 日本赤十字社は新聞報道でこれが発覚したのち、1カ月後の6月に厚生労働省に報告。公表は2カ月たった7月になってからのことでした。

 当時、福岡資麿厚生労働大臣はこう述べていました。

「献血者の善意による貴重な献血由来の血液製剤であることから、しっかりと再発防止策を講じることも強く要請をしているところ」

 しかし、不祥事は続きます。

 8月には輸送のミスから39人分の血液製剤を廃棄する事案が発生。さらに19日の会見では、9月に立て続けに3件の不祥事が起きていたことが明らかになりました。

■使用済みの針 別の人に使用

 なかでも9月に起きた事案は信じがたいものです。

日本赤十字社の会見 「献血者様の採血を開始したところ、血液の流出が確認できなかったため、採血を中止した。その後、使用した採血針が付いた採血バッグを誤ってそのまま、次の献血者様に穿刺(せんし)してしまった」

 同じ針を2人の献血者に使用したのです。使用済みの針を使われた人に、健康被害などは確認されていないということですが。

紀野血液事業本部長 「(Q.一口で言ってめずらしい例なのか?これまでにこういった例はあった?)2015年だったと思うが、岩手県赤十字血液センターで同様の事例が発生している」

 献血に協力したことがある人はこう話しました。

献血経験者 「自分の血が貴重だとは思わないが、できるだけ有意義に使ってほしい」 「誰かのために思ってやってることなので、自分に問題が起きてしまうとなると、献血できなくなってしまうかもしれないなと正直思う」

 19日の会見では、公表の遅れについて記者から質問が相次ぎました。

日本赤十字社の会見 「(Q.6月の厚労省への報告の時点で原因というか、なんでこうなったかというのは分かったと思うが、そこから7月の公表まで時間が空いたのはどういった理由?)公表の仕方とかそういったことも内部で検討してきて、少し時間がかかったということになっている」 「(Q.公表するということ自体は決めていたが、それをどういうふうにするかを考えていたということ?)はい、そうです」 「(Q.調査があって1カ月遅れになっていたという事案については、今振り返るともう少し早く公表すべきだったというお考え?)もう少し早くすべきだった」

 日本赤十字社は、再発防止策を定め、安全管理に特化した部署を作ることを発表。ほかにも不適切な事案がなかったか、調査する方針です。

 専門家は次のように話しました。

長崎大学 高度感染症研究センター 森内浩幸教授 「かなりの数の患者さんに大きな影響を与えたものだと危惧している。いろいろな災害が起こったりすれば(血液が)一気に必要なことがあります。常に新鮮な血液をある程度用意しておかないと、急に対応することは難しいということはあると思う」

(「グッド!モーニング」2025年9月20日放送分より)

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