先週、日本生命が、三菱UFJ銀行など出向先から内部情報を無断で持ち出していたことが明らかになりましたが、これを受けて19日、生命保険協会は、出向を原則廃止とする新たな指針を公表しました。
■生保出向者が内部情報持ち出し
19日に会見を行ったのは、生命保険協会の会長を務める住友生命の高田幸徳社長です。
生命保険協会 高田会長 「生命保険協会として、皆さんからの厳しい視点を真摯に受け止め、しっかりとした今後の体制整備をしていくような後押しをしていきたいと考えている」
日本生命 赤堀直樹副社長 「お客様をはじめとする関係者の皆様にご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、あらためまして深くおわび申し上げます」
12日の会見で、不正な情報入手について謝罪した日本生命。三菱UFJ銀行など代理店に出向していた社員が、無断で内部情報を持ち出し、日本生命側と共有していました。
今週になって、日本生命では子会社でも同様の事案があったと発覚。第一生命でも出向者が無断で情報を持ち出していました。明治安田生命と住友生命は調査中です。
日本生命の会見では、無断で持ち出した情報の中に顧客情報が含まれないのか、記者から再三問われました。
日本生命 コンプライアンス統括部 開保津勝矢部長 「お客様に関する情報は含まれてございません」
高田協会会長はこう述べました。
「(Q.情報の中に個人情報はなぜないと言える?)個人情報漏洩(ろうえい)につきましては、昨年協会もリードをいたしまして、厳密に確認をしてございまして、すでに漏洩があったものを発表している。今回はその際に調査されなかった部分につきまして、もう一度精査をした」
協会会長も個人情報は含まれていないと見解を述べ、日本生命は、顧客の個人情報はなく銀行の保険販売に関する業績や、他社の未発表商品に関する情報にとどまると説明しています。
■代理店への出向「原則廃止」に
それでも、大手生命保険の不祥事に、中小の保険代理店の社長は不満の声をもらします。
保険代理店 ネクストラボ 鳥居瑞生社長 「営業の世界、特に保険会社って、営業マンの競争が激しい世界でもあると思うので。みんな出来高、フルコミッション(完全歩合制)で働いているなかで、やはりフェアに行きましょうってところは強く言いたい」
大手が不正な手段で営業を行えば、中小の代理店としては歯が立ちません。
鳥居社長 「私たちは大型代理店とか大手の生命保険会社で起きているような問題の情報は一切降りてこないので、やはり各社大手が集まって問題解決をしていくしかないのかなと思います」
生命保険協会は問題を受けて、保険代理店への出向を「原則廃止」するガイドラインを新たに定めます。
高田会長 「当該出向の適切性を十分に確認できる場合を除き、出向を行えないというふうに記載されている。業界全体の問題ではあるとは現段階では考えておりません」
(「グッド!モーニング」2025年9月20日放送分より)