21日、大分県警が公開した大規模な火災が発生した佐賀関の当日の映像には、強風で火が短時間で拡大したことが克明に記録されていました。
■拡大要因は「強風」
発生から4日。火元とみられる住宅から見つかった遺体の身元が判明しました。この家に住む稲垣清さん(76)。生活に手助けが必要な状態でした。
稲垣さんを知る人 「床に座ったら一人で立てない。独身の方だったんで、冷蔵庫の中は食パンと牛乳くらい」
被害が拡大した理由も見えてきました。
大分県 佐藤樹一郎知事 「強風が吹いていたのが最大の要因」
新たに公開された火災当日の上空からの映像には、飛び火によるものとみられる炎が複数の場所で上がる様子が記録されています。
炎から少し離れた場所に見える赤い光の列は、消防の車両。細く入り組んだ道に阻まれ、火に近付けなかったことも、被害が拡大した要因の一つかもしれません。
■被災者「戻りたい」
その火災現場では、復旧作業にあたるためでしょうか。インフラ関係の車両が多く規制線の中へと入っていきます。
これは作業の関係者が撮影した21日の規制エリアの中の映像。どこに道があったかすら分からない場所もみられました。
その外には、自分の住まいを一目見に、住民たちが訪れていました。こちらの男性は、家が全焼したといいます。
男性(80代) 「一度ね、焼け跡を見たいなと思って(来た)」
自宅に戻れないか警察官へ相談しますが、規制エリアの中には入れず戻ってくる男性。
男性(80代) 「(Q.少しでも自宅に帰ってみたかったか)みたいですよ。50年くらい(住んでた)かな。困るで。何にもないから」
避難所でも抱き合う姿が。
「入られんな。私のうちも入られん」
こうしたなか、佐賀関に拠点を置く企業の社員寮では、現在およそ30ある空室に被災した人を受け入れる準備が進められていました。
JX金属製錬 佐賀関精錬所 岡本奈々佳さん 「こちらは単身の部屋。空き室を避難の方に入れるようにしている」
県や市も公営住宅などの確保を進めています。ただ難しいのは、高齢化が進むなかで、必ずしもプライベートな空間を望んでいる人ばかりではないということ。
自宅が被害に遭った 渡邊榮子さん(88) 「(Q.空いているアパートに入る不安は)(不安は)ある。行きたくない。どこにしたって行きたくない。孤立するでしょ、アパートだと。ご近所といつも顔を見合わせられるくらい、戸を開け放しにして家を出られるくらいの。今はそれだからな」
(「グッド!モーニング」2025年11月22日放送分より)