捕獲したイノシシやシカを食用に処理する「ジビエカー」。 岡山県が開いた鳥獣被害の対策会議でお披露目され、注目を集めました。
「ジビエカー」は、2トントラックがベースの特別車です。日本ジビエ振興協会と長野トヨタが共同開発したもので、価格は2300万円です。今年8月に高知県の自治体が初めて購入しました。
汚れを流した動物がまず運ばれるのは解体室です。
(記者リポート) 「洗浄された動物はこれで吊り上げられ、レールに吊るされ、解体されたのち、次に進みます」
解体は吊るしたまま行うため、肉が床に着かず衛生的です。 解体された肉は最終的に保冷室で5℃以下で保管されます。厚生労働省のガイドラインに基づき、肉同士が接触しないよう上下から固定します。また、作業の様子は3台のカメラで録画し、トレーサビリティーにも配慮しています。
ジビエカーの一番のメリットは捕獲現場の近くまで移動すれば、すばやく新鮮な肉が得られることです。
(長野トヨタ自動車 西澤久友部長) 「今まで捨ててたものが商品化できる。現地まで行って、即、処理をして、冷凍して持ってくるので、これからは(食用として)提供できる」
日本ジビエ振興協会によると、捕獲された動物で食用になるのは現在、全国平均で10%ほどにとどまります。 岡山県では昨年度、イノシシとシカあわせて約3万6000頭が捕獲されていて、約20年で8倍近くになっています。