JR岡山駅東口に6つある市営駐輪場のうち、唯一無料だった駐輪場を、岡山市が有料にすることを決め、工事を始めました。収容台数も現在から約4割も減ります。岡山市の狙いを取材しました。
有料化するのは岡山駅から北東へ約350m離れた場所にある新幹線高架下の駐輪場です。来年3月のオープンに向け工事を始めました。 市が1986年に整備した2階建ての駐輪場で、収容台数は1060台。しかし多い時には1200台が止められていました。1階部分が歩道も兼ねていましたが、歩道の幅が十分とれない状況になってきたため、歩行空間を確保するため改修します。事業費は8300万円です。料金は最初の2時間は無料で、1日100円です。
(記者リポート) 「以前は両側に自転車をとめるスペースがあったんですけども 工事の後はこちらの片側のみになります」
有料化により前輪を載せるラックを取り付けるため、収容台数は622台となり400台以上減ることになります。
(岡山市自転車先進都市推進室 今井洋孫担当課長) 「周辺にも駐輪場があります。それはすべて有料なんですけど、容量的にも余裕がありますから。1カ所に集中しないような形で駐輪場を展開していく」
岡山駅東口周辺には6カ所の駐輪場があり、収容台数は合わせて約4400台です。ほか5カ所は有料のため、これまでは無料だったこの駐輪場に集中していて、有料の駐輪場は利用が少ないところもありました。年間の平均で一番使われていない岡山駅の地下駐輪場の利用率は51パーセントでした。
一方、無料の駐輪場がなくなった今、新たな問題も… 岡山駅周辺ではシルバー人材センターから派遣された約20人が指導員としてほぼ毎日巡回しています。指導員は、駐輪場の収容台数が減ることで、ある心配をしています。
(指導員はー) 「駅から降りて駅から近い方に止めるようになると思います。駐輪機があるところがいつも満杯になって、それがあふれて出て駐輪違法になるということで撤去の数が当分多いんじゃないかと思います」
利用者からも、どこに止めれば良いのか心配の声もありました。
(駐輪場の利用者はー) 「もう満車みたいな空きがありませんってそういう時はあきらめて別の場所に止めていくんですけど 街中探し回って」
岡山市では放置自転車をなくそうと力を入れていて、来年3月に有料化する駐輪場付近も禁止区域に設定しようと 議論しています。ただ、撤去されない場所、例えば店の路上にある駐輪場スペースに関係のない人が止めてしまうケースがあとをたたないのが現状です。こうした指摘に岡山市は…
(岡山市自転車先進都市推進室 今井洋孫担当課長) 「路地へ入ると放置の多い状態は見受けられてます。十分な駐輪場を整備していますから、お金はかかりますがきちんととめていただきたい。実際に運用を開始してからしばらく様子を見ていく必要がある」