「天空の山城」として全国から観光客が訪れる岡山県高梁市の備中松山城。戊辰戦争に巻き込まれ無血開城をした日から18日で150年を記念して無血ならぬ「無料開城」が行われました。
険しい山道を歩いてきた観光客を、よろいかぶと姿のおもてなし隊が迎えます。
(高梁市観光協会/南賀隆 さん) 「こういったお城が残ったり、高梁の町が今あるのは無血開城して戦禍を免れたというのが1つあるのかなと思いまして、そういう意味では意義深い日だなと思います」
1868年、旧幕府軍と明治新政府軍の間で鳥羽伏見の戦いが始まると、松山藩は旧幕府軍の一員として朝敵になりました。知らせを受けた山田方谷らは「無謀な戦いを避けて板倉家の存続を図るしかない」と、無血開城を決めました。それからちょうど150年を記念して18日から4日間、天守閣への入城料が無料です。
(記者) 「さらにこの4日間限定で公開されているのが、備中松山城に14ある櫓のうち唯一2階建ての櫓、こちらの二重櫓です。この櫓が建てられた目的は分かっていませんが、天守閣の真裏にあるという立地から見張りに使われていたのではないか、そして通常1つしかない出入り口が表と裏の2カ所にあるため、非常時の逃走用に使われていたのではないかと言われています」
備中松山城は歴史ブームを追い風に、天空の山城として大人気に。2013年度には約5万人だった来城者数も、昨年度は10万人を突破しました。
(広島県から来た人は―) 「全然知らずに来たんですけど、大変ラッキーです。立派なもんですね、高い山の上にこんなもん造るなんて、素晴らしいわ」 (青森県から来た人は―) 「高梁駅から吉備国際大学の方と大学までご一緒したんですよ。そしたら学生さんが歩いていくんですかみたいにね、すごく心配してくれて、その意味が今ようやく分かったっていうか」
無料開城と二重櫓の公開は21日までです。