河川工学の専門家や国会議員らが7日、倉敷市真備町などの堤防決壊現場を視察しました。河川の管理に問題はなかったのか?住民が一行に強く訴える場面もありました。
倉敷市真備町を訪れたのは、国民民主党の柚木道義衆院議員をはじめ、河川工学の専門家や市民団体関係者など、約15人。滋賀県知事を務めた嘉田由紀子さんも同行しました。
現地では河川を管理する国交省や県の担当者が、説明を行いました。
一行が視察したのは、真備町と隣の矢掛町で堤防が決壊した5カ所。地図を見たり地形を確認したりながら、どのようにして決壊が起きたのかを確認していました。
視察の途中では地元の人が割って入り、訴える場面もありました。
(地元の人ー) 「ここは山林のごとく木の大山だったんですよ。それを隠すために、災害のあとすぐ木を切った。そんなことが許されますか」
視察団も小田川の中に生えていた木と、水位急上昇の因果関係に注目。「もっと早く木を伐採していれば、決壊を防げたのでは」と疑問を投げかけました。
(柚木道義 衆院議員) 「伐採していたら決壊していなかったかもしれない」 (国土交通省の担当者) 「越流した量とかが検証できていないのでわからないんですけど、付け替えで解消される水位低下と伐採で低下できるものが全然違うんです。付け替えだと5メートルくらい下がる」
国交省の担当者は「検証中」だとして、はっきりとした回答を避けましたが、高梁川と小田川の合流点の付け替え工事による治水効果の方が大きいと、強調しました。
(京都大学名誉教授/今本 博健さん) 「ここはね、もし切れたらこれだけの被害が起きるわけですよね。そのことはわかってたはずなんですよ。だからね、そういうところを優先して工事してほしかった」
小田川の支流、末政川の堤防決壊現場では、近くで被災し、家が水没した男性が当時の映像を見せながら、視察団に説明しました。
(被災した男性と視察団のやりとり) 被災男性「向こうから水が入ってきて」 視察団「ええっ、北からの水が来てたという。西から順次つかっていって、水がいっぱいになったんで」 「これは6日の朝?」 被災男性「7日の朝5時くらい」
国や県の担当者も真剣な表情で、映像に見入っていました。
真備町で起きた大規模な浸水は、ハザードマップなどで詳細に予測されていました。 それなのに、なぜ、ここまで大きな被害が出てしまったのでしょうか。国や県の調査結果が注目されます。