中国の武漢市を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大し、日本でも感染者が増えています。この緊急事態を受けて日本政府は2月1日から新型コロナウイルスを「指定感染症」にする政令を施行します。 これにより、県知事が感染の疑いがある患者を強制的に入院させたり、就業を制限したりできます。
厚生労働省の発表では31日午前9時の時点で感染者は、中国本土で9692人、この1週間だけでも10倍に増えています。日本国内の感染者も12人と増えています。新型コロナウイルスの「感染力」について取材しました。
岡山済生会総合病院で、感染制御室の田中弘之室長に話を聞きました。
(岡山済生会総合病院 感染制御室/田中弘之 室長) 「病院は病気の方が来られる場所ですので、患者さんと患者さんの接触をできる限り避けたいわけです」
(松木梨菜リポート) 「感染の疑いがある患者は1階の通用口からこちらの業務用のエレベーターを使って2階に上がってきます。そしてほかの患者に会わないように専用の診察室へ案内されます」 専用の診察室は室内の気圧を外よりも低くし、ウイルスなどを外に出さないようにしています。
また国立感染症研究所のマニュアルを基に、独自のマニュアルを作成しました。感染の疑いがある患者にはすぐに病院で受診するのではなく、まずは電話で知らせるよう呼び掛けています。
感染した場合の具体的な症状とは?
(田中弘之 室長) 「今回症状の幅がすごく広いんです。全く症状がない人から亡くなる方までおられるわけですけど、原則は熱と咳になると思います」
WHO、世界保健機関が発表したデータによりますと、新型コロナウイルスは感染した患者一人から1.4人から2.5人に感染するとみられています。 現段階では、はしかやインフルエンザと比べて低いとされています。
また2002年から2003年にかけてSARS、重症急性呼吸器症候群が流行した時と比べて今回の状況は違うと言います。
(田中弘之 室長) 「SARSの場合には死亡率が1割ぐらいあったわけですけど、(今回の)新しい(情報の)死亡率は2パーセントぐらいになってるんですね。かなり状況は違うと思います」
いつぐらいに終息するのでしょうか。
(田中弘之 室長) 「まだ先は見えないと思います。インフルエンザと同じような対応をしていればまず問題はないんじゃないかと思っ てます」
インフルエンザと同じような対応が必要です。新型コロナウイルスの潜伏期間は最長14日間といわれています。
感染後も症状がないケースがあり、手洗いやマスクの着用をしっかり行うなど、インフルエンザと同様の対策を行うことが大切です。