これから旬を迎える冬の味覚、カキに「異変」です。養殖カキの産地、香川県さぬき市の志度湾でカキが大量死しています。
午前9時ごろ、さぬき市の「松本水産」では、水揚げされたカキの洗浄作業が行われていました。しかし……。
(松本水産/松本繁勝さん)
「今年は全然付いてない。これ(カキが育つための土台の貝殻)が見えるくらいだからあかんです」
2025年は育てたカキの8割から9割が死滅してしまったと話す松本さん。約50年間、カキの養殖に携わっていますが、2025年ほどの大量死は初めてだということです。
(松本水産/松本繁勝さん)
「平年だったら、れん(ロープ)に種板(種カキを付着させた貝殻)が付いて1本で1kgくらい取れるんです、むき身で。それが今年は150g」
収穫できたカキも……。
(松本水産/松本繁勝さん)
「小さいでしょ? 完全にもう(身が入っていない)いつもなら大小分けるんです。出荷のときは。それが今年は分けるようなカキではないから。(Q.全部小さいからサイズで分けられない?)分けられない」
さぬき市の鴨庄漁業協同組合によりますと、カキの水揚げは例年10月ごろに始まりますが、大量死や育成不良で約4割の業者がカキの水揚げを見合わせているということです。
カキが死滅した詳しい原因は分かっていませんが、夏場に水温が上がったことや台風の接近や雨が少なかったため、海中の栄養が十分に循環しなかったことなどが死滅につながったと推測しています。
鴨庄漁協はこのままの状況が続くと、例年の2割から3割程度の水揚げ量になる心配があるとしています。
(松本水産/松本繁勝さん)
「来年の仕込み、種カキを買ったりなんだかんだせなあかんから、それ自体が危ういとこです。対策してもらわなんだら、このままではひどいことになります」