条例が世界からも注目を集めています。アメリカの大手新聞ニューヨーク・タイムズが香川県のネット・ゲーム依存症対策条例について報じました。風評により、移住や産業への影響を懸念する声もあがっています。
6月12日付のニューヨーク・タイムズ電子版の記事では、ゲームの利用を1日60分までとする目安や、高校生による訴訟の動きを伝えています。この中で、「日本では罰則などの強制的な仕組みがなくても、公的な提案には従うべきだという強い社会的圧力がある」と指摘しています。
15日の三豊市議会の一般質問では、田中達也議員が条例の内容や制定過程の問題点を取り上げました。
(三豊市議会/田中達也 議員) 「問題視されている条項をいつ、誰が、例えば対応する各自治体も含めてそれらがどう解釈し、実行するのかは不透明です。自粛警察と呼ばれた社会風潮のように誤った正義感の根拠とされてしまう懸念もある」
その上で、条例の風評が市が進める移住定住の促進や、人工知能・AIを活用した産業集積に及ぼす影響について質(ただ)しました。
山下昭史市長は、今のところ条例の直接的な影響はないとした上で、条例は、デジタル機器に対する子どもたちの知的好奇心を否定するものではないと述べました。
(三豊市/山下昭史 市長) 「香川県の条例が(子どもたちの)学ぶ時間を制限するという趣旨を含むものではないと考え、AI、ディープラーニング技術を活用できる地域人材の育成、および事業創出の支援を行い、産業集積をめざして、本市や社会の活性化に寄与できるよう努めてまいります」