約1000年前、疫病から人々を救ったお坊さんがいました。ゆかりの寺を訪ねました。
香川県丸亀市の「妙法寺」。江戸時代の俳人、与謝蕪村が滞在し絵を残したことで知られ、「蕪村寺」とも呼ばれています。ここは平安時代中期に活躍した天台宗の僧、元三大師(がんざんだいし)ゆかりの寺です。
「おみくじ」の原形を作ったとされる元三大師ゆかりの寺院は全国に300以上あります。 この元三大師は疫病から人々を救ったという言い伝えが残っています。
平安時代、疫病に苦しむ人々を救うため、元三大師が祈ると、鏡に鬼の姿が現れました。 この姿を写した護符を家の戸口に貼りつけると疫病が終息したといわれています。
(天台宗妙法寺/大岡真祥 住職) 「以来1000年以上経っておりますけれども今でも連綿とこの元三大師の角大師と申しますが、角大師のお札を頒布して魔除け、病気除け、厄災除けの護符として授けられているということでございます」
(野口真菜リポート) 「護符とは、災いから身を守るためのお守りのことです。この角大師の護符は、新型コロナウイルスが流行した数ヶ月間で注文数が一気に増えたといいます」
今年、妙法寺ではすでに300ほど護符の注文がありました。 これは去年の同じ時期の10倍以上です。そしてその多くがオンラインでの県外からの注文です。
(天台宗妙法寺/大岡真祥 住職) 「安心感がないと、何事も余裕が生まれません。仏教的には安心(あんじん)と言いますが、心の安らぎというものが大事なんじゃないかと思います」