新型コロナウイルスが私たちの生活に大きな影響を及ぼす中、懸命に生きる人や新しい生き方を模索する人たちを伝える、シリーズ「新型コロナ時代を生きる」です。
高校で美術を学ぶ生徒たちの作品展が高松市で開かれています。長期間の臨時休校で、普段とは違った学校生活を送った生徒たち。それぞれの自宅で作品制作と向き合いました。
高松工芸高校美術科の作品展です。例年は1学期に制作した作品を展示していますが、今年は3月から5月までの3カ月間、高校は臨時休校となりました。
(高松工芸高校2年/森藤千晴さん) 「ちょうどオリンピックが延期になったっていうのが新聞に載っていて、これは記録としても描いておかないといけないなと思ったので、このモチーフを選んで描きました」
今回の展示会では、その休校中の課題としてそれぞれが自宅で描いたデッサンなどが数多く展示されています。
(高松工芸高校2年/森藤千晴さん) 「自分はここが描けてないなぁとか、そういうのを全部自分で考えて、次の課題につなげるようにしていました」
学校で描くとのは違った難しさもあったようです。
(高松工芸高校/樋口聡 先生) 「本来授業ですと、生徒は自分の絵を描きながら、実は隣にいる生徒、あるいは教室の他の生徒の作品も知らず知らずのうちに見ていて、そこから得るものがあると思うんです」
そこで先生は、休校期間中、LINEアプリを使い生徒たちが描いたデッサンや、それに対する先生のコメントをクラス全員が見られるようにしました。
(高松工芸高校美術科2年/佐々木天音さん) 「みんなはこれくらい頑張っているからこの上をいかないといけないから、何時間でも粘れるだけ粘ろうと思って」
課題として、自宅で書き溜めたデッサン。日々の積み重ねが目に見える形で所狭しと展示されました。
(高松工芸高校/樋口聡 先生) 「熱量、作品に対する想い、生徒の作品に対するこだわりというのは例年に比べても引けを取らない展覧会になったのかなと思います」
高松工芸高校美術科作品展は8月19日まで、高松市上林町の大西・アオイ記念館で開かれています。