皆さんは、香川県の「ナマズ博士」を知っていますか?
36年前、さぬき市の山で世界最古のナマズの化石が見つかりました。それを発見した男性は、子どもたちに化石を通して大地の仕組みを知ってほしいと願っています。
「ナマズ博士」と呼ばれる森繁さん
さぬき市の雨滝自然科学館。
ここには、2万年から30万年前にこの地域にいたナウマンゾウやヤベオオツノジカ、7500万年前の海にいたとされるモササウルスの化石などを展示しています。
(雨滝自然科学館/森繁 館長)
「この子らの特徴としては体がね、ちょっと見てもらったらいいんですけど、体の表面に何かがないんですよ。模様はあってもその上に何かなかったらいかんのですよ。(Q.うろこですか?)うん、うろこですよね」
2007年から館長を務める森繁さん(71)は20年前までは小学校の先生でした。そんな森さんが「ナマズ博士」と呼ばれるようになったのは…
さぬき市から世界最古とみられる化石を発見
1985年5月、さぬき市の雨滝山で世界最古のナマズの化石が発見されました。それを見つけたのが森さんなんです。
(森繁さん[当時48歳])
「現在出ているナマズ科化石としては、世界で最も古いものだろうという結論に至りました」
発見当初は、「ナマズの一種」ということしか分かっていませんでしたが、その後の鑑定で約1500万年前のナマズの化石だと判明。1998年に世界最古のナマズの化石と認定されました。
(雨滝自然科学館/森繁 館長)
「正式にナマズと言われても、『あ~やっぱしそうかな』という感じで、世界的なものがこの前の崖から見つかったということはすごいことだなと思います」
大地の勉強で「自分の身を守る」
森さんは、子どもたちに大地の仕組みを知ってもらうきっかけにしてほしいと、化石の発掘などが体験できる親子教室を夏休みや土日などに開いています。
(雨滝自然科学館/森繁 館長)
「子どもたちが大地の勉強をする。なぜ勉強するかというと、これは自分の身を守るためなんですよ。この大地が出来たころ、どんな生き物たちが生活していたんだろうというのは、その場所で出てくる化石類を証拠にするしかないんですよね」
自分が住んでいるところは、昔どんな場所だったのか…。どんな生き物が住んでいたのか…。化石を通して知ることで「未来の自然災害」に備えてほしいと願っています。
(雨滝自然科学館/森繁 館長)
「100歳まで生きるとしたら、100年の間にどれだけの事柄がこの大地上で起こるか、この場所は生活していても安全な場所、何かあったらこの場所に移動しましょうとか、そういった基準になるものは自分でこの大地を調べていないと、知っていないとできないわけですよね。そういう面で使っていただけたらと思うんですけどね」