さぬき市は、24日、1986年に長尾地区多和の山中で発見された化石が、白亜紀後期の大型草食恐竜のハドロサウルス類のものと断定したと発表しました。
ユーラシア大陸最東端での発見となり、ハドロサウルス類の当時の分布を知る重要な手がかりになるということです。
化石は、縦、横、高さ約10cmで背骨の一部と見られ、岡山理科大学と東京都市大学の研究チームが国内外の34種類の恐竜の背骨と比較しました。その結果、「背骨が非常に大きく、大型の脊椎動物であること」「ハート型の輪郭がハドロサウルス類特有であること」「X線CTスキャナーを用いた内部構造を分析したところ、骨の内部構造がハドロサウルス類に似ていたこと」などから断定したということです。
研究内容は23日に学術雑誌Paleontological Researchのオンライン版に掲載されました。
ハドロサウルス類の化石は北米で多くの種類が見つかっていますが、アジアでは限られた地域でしか発見されておらず、どのように多様化したのか謎が残されています。今回の断定により、カンパニアン期(白亜紀後期の約8300万年前から約7200万年前の時代)に、四国地域にハドロサウルス類が分布していたことが分かりました。
化石は発見者が長く保管したあと、2015年に大阪市立自然史博物館に寄贈され、調査が進められていました。
さぬき市の雨滝自然科学館には、ハドロサウルス類の化石のレプリカが展示されています。