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香川県出身作家が新型コロナ給付金で“ひとり出版社”立ち上げ 2時間で数百冊が完売の「万葉集」関連本が話題

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 瀬戸内海の小さな島、豊島のいわれなどを書いた「美術館ができるまで」の作者で、香川県出身の佐々木良さんが新型コロナの給付金を活用して出版社を立ち上げました。

 最初に出版した「万葉集」に関する本が今、注目を集めています。

 「令和 万葉集」。3月下旬にインターネット通販の「Amazon」で発売すると、わずか2時間で数百冊が売り切れとなりました。

 この本を出版したのは、作家の佐々木良さんが新型コロナの給付金10万円で立ち上げた「万葉社」です。
 事務所は旧四番丁小学校跡にできたコワーキングスペースに構えました。

(作家で万葉社 代表/佐々木良さん)
「令和の元号の基にもなったのが万葉集なので、万葉社にした。コロナ禍の中で国民一律に10万円もらったので、その10万円を資本金にして出版社を作った」

 万葉集には4500首もの和歌が収められていますが、佐々木さんは、「令和」の元号の基になった梅の花の歌32首と序文を紹介することにしました。

(作家で万葉社 代表/佐々木良さん)
「令和の元号序文にあたる『初春の令月にして気淑く風和らぎ風和らぎ…』というのは有名ですが、そのあとの32首は、多くの人があまり知らない。令和の元号がどういう状況で生まれたのか知ってほしくて、一冊の本にしようと」

 「令和・万葉集」は装丁にもこだわっています。本のサイズは少し小さめで、紙は和紙です。読みやすくするため本自体が180度開くように工夫されています。

 美術系の大学を卒業し、学芸員でもある佐々木さんならではのこだわりようです。

(作家で万葉社 代表/佐々木良さん)
「美術館で図録の仕事や自分の本も出している、インスタグラムで古い字の上手な人を見つけたら、銀座のママだった。いろいろな経験もしているし、コロナ禍でいつも以上に時間が空いたため、一生懸命に書いてくれて最後のページも万葉仮名、ひらがな。きれいなひらがなで練習できるように書いてくれた」

(作家で万葉社 代表/佐々木良さん)
「万葉集って、原本がなくて写本が作られていてそれが5つある、それを五大万葉集といいます。そのうち1つが香川県にあるんです。これが重要文化財になっている。万葉集は4500首並んでいるんですけど、1首から4首までは奈良の都の話。5首、6首目は香川県、讃岐の国の話。万葉集の第2の故郷は、香川と言っても過言ではない」

 「万葉社」はすでに次の本の出版に向けて、動いているということです。

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