倉敷ガラスの魅力を伝える展覧会が岡山県倉敷市の民芸店で開かれています。民芸店の店主はある特別な思いを抱きながら展覧会に臨んでいます。
やわらかな曲線、温かみを感じさせるガラスたち。素朴な美しさと実用性を兼ね備えているとして人気の「倉敷ガラス」です。
「倉敷ガラス」の唯一の作り手、小谷栄次さんの作品展が、倉敷美観地区にある「融(とおる)民芸店」の創業50年を記念して開かれました。
「小谷ブルー」と呼ばれる深い青は、いつまでも眺めていたくなる美しさです。
(融民芸店/小林融子さん[78])
「みんなに親しんで使っていただけるというのが第一なんですけど、手の中に持っていただいて、いいなと思えば、それが一番です」
店主の小林融子さん(78)は生活に寄り添う民芸品の魅力を届けるため、国内や世界中の作り手の元に出向いてきました。しかし、体力の衰えなどを感じ2021年いっぱいで引退すると決めました。
(融民芸店/小林融子さん[78])
「やり切ったという思いはない、いまだ。やりたい気持ちはいっぱいなんですけれど、みんなに迷惑かけてもいけないし」
店を閉めることも考えたそうですが、民芸品の良さを伝え続けたいとして後継者を募っています。
(融民芸店/小林融子さん[78])
「民芸の心をお持ちの方がいいですよね。どうやってみんなにこういった器を知ってもらったらいいのか」
使いやすく、親しみのあるものを届けたい。「倉敷ガラス小谷栄次の仕事」は融民芸店で7月13日まで開かれています。