1袋30円前後で販売され家計に優しい食材とも言われる「もやし」ですが、種子の価格高騰や光熱費の上昇により農家はピンチに直面しています。
(もやし農家/日原和典さん)
「何もかも上がっている。利益は少しずつ減っている」
岡山市中区で約60年続くもやし農家・「日原商店」の2代目・日原和典さん(72)は、家族ら7人で1日に約1トン、1袋26円ほどで市内のラーメン店やスーパーへ出荷しています。
もやしはマメ科の植物の種子に水を与えて育てたもので、1週間ほどで収穫されます。
今、もやしの種子の価格が高騰し生産者の悩みの種となっています。
工業組合もやし生産者協会によりますと、2010年以降中国での人件費高騰や天候不順により価格が上昇。2021年の中国産の緑豆の価格は1995年の約3.5倍となっています。
日原さんの2021年の緑豆の仕入れ額は10年前より300万円ほど増えています。
さらにウクライナの情勢の悪化により、ボイラーの燃料代や包装に使う袋などの価格上昇が追い打ちをかけています。
このような状況を受けて、工業組合もやし生産者協会は2021年12月、流通関係団体など800カ所に「もやし生産者の窮状について」という文書を送り、深刻な経営環境について理解を求めています。
(もやし農家/日原和典さん)
「しょうがない、時代の流れ。こういう時代だから様子を見てうちも値上げをお願いするかもしれない」