2022年のお盆は新型コロナ禍では初めて「行動制限のないお盆」。
レジャー施設は2022年のお盆に「期待」を寄せていましたが、感染者の増加もあってか想定とは少し状況が違うようです。
3年ぶりの行動制限がないお盆 態勢強化も現状は…
10日、岡山県総社市の「サントピア岡山総社」のレジャープールは多くの家族連れでにぎわっていました。
(来場客は―)
「屋外でこういうところだったらましなのかなと思って。子どもが楽しんでいるのを見るのがうれしいです」
「夏休みに子どもにどこか連れていってって言われてんですけど、たぶんここが最初で最後の夏休みのイベントになると思います」
2022年のお盆は3年ぶりに行動制限がないため、施設側はこれまで以上の集客を期待し、お盆に向けて態勢も強化しました。
(サントピア岡山総社/多賀信二 支配人)
「多く来られる想定で、駐車場警備プールのスタッフも通常より倍近くの態勢で強化しています」
新型コロナ前は、夏の期間に7~8万人が訪れていましたが、2020年は2万人ほどにまで落ち込みました。2021年は4万人までに戻り、2022年は新型コロナ前と同じ水準の7万人を目標に掲げていましたが……。
(サントピア岡山総社/多賀信二 支配人)
「新型コロナの感染が広がっている関係でお客さんの足としては少なくなってきつつあります。6~7割ぐらいまで見込みよりは落ちてきている状況です」
施設では、利用客に手の消毒や検温など基本的な感染対策を呼び掛けているほか、換気のために更衣室にサーキュレーターを置くなどしています。それでも、車の中で着替えを行う人たちが目立つということで、訪れる人たちの新型コロナへの警戒感は高いようです。
お盆に向けて増員したスタッフの態勢については――。
(サントピア岡山総社/多賀信二 支配人)
「そのままいける態勢であればそのままいきたいなと思いますし、お客さまが少ないようであれば、スタッフに早上がりしてもらって調整していくしかないのかなと」
サントピア岡山総社のレジャープールは8月31日まで毎日営業します。9月からは土・日・祝日のみの営業とし、例年よりも2週間長い9月19日まで開けるということです。
(サントピア岡山総社/多賀信二 支配人)
「願望で感染も落ち着いて最大限お客さまに来ていただければと願っています」
お盆の移動や帰省先で、シーン別の注意点は?
感染者の増加によって、お盆を前に岡山・香川でも状況が変わってきています。
岡山県は8月5日、香川県は10日に「BA.5対策強化宣言」を出しました。
いずれも病床使用率が50%を超えたことなどを踏まえての対応で、混雑した場所などに行くことを控えるよう呼び掛けています。
一方、イベントの開催や参加、県をまたぐ移動については中止や自粛を求めてはいません。
過去2年よりも多くの人が動くことが想定される2022年のお盆。それぞれのシーンでどのような点に注意すべきか専門家に聞きました。話を聞いたのは、政府の分科会のメンバーでもある川崎医科大学の中野貴司教授です。
―電車など公共交通機関を使って移動するときは
「ある程度混雑した公共の場ってことを考えますと、マスクと同時に手を清潔にするのも大事なことだと思います。いろんなところを触りますし、いろんなものがくっつく場所。それをまた口とか鼻に運んで病原体が伝播する」
家族やグループで移動する場合、席の余裕があればできるだけ間隔を空けて座ることも大切だということです。
―自家用車での移動は「換気」への意識を
「ある程度換気をすること、それと、もし限られた時間だけのご一緒であれば、お互いがマスクをすることは飛沫が飛ぶことが避けられると思います」
車が複数ある場合は、家族単位で車を分けた方がより感染リスクを低くできます。
―「車内での飲食」には特に注意
また、車や公共交通機関での移動中、特に注意したいのが「車内での飲食」です。
「皆さんで遊びに出かけるとなると、どうしても車内で食事をすることはだんらんの時間でもありますので、狭い空間の中でおしゃべりをしながら食事をすることになると思います。車内での食事は避けられた方が感染対策上はより良いと思います」
―祖父母などへの訪問は事情に合わせて対応を
続いては、祖父母などの家を訪れる場合。ここではそれぞれの事情に合わせた対応が求められます。
「短時間接触するだけであれば、その期間マスクをするということでしのげることはありますが、場面を決めてマスクをしていても限界はあると思うんですね。せっかくの夏休みですので、その期間をどう楽しく有効に過ごすかって価値観の問題もあると思いますから、事前におじいちゃんおばあちゃんと相談された上でどうするのか決めるのが得策のように思います」
「人が移動することも制限していない3年ぶりのお盆。そういった意味では、しっかり楽しんでいただきたい。注意できるところは注意する、という思いは忘れないで毎日を過ごしてほしいと思います」
中野教授は第7波と言われる今の感染拡大について、感染力が強い新しい変異株が出なければ、お盆明けにはある程度収束していくとみています。