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「死んだふり」にはメリットある 昆虫学者が世界で初めてデータで証明 岡山大学

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 天敵のクモから身を守るために虫が「死んだふり」。この「死んだふりをする」行動が生き残る上で「メリット」があることを岡山大学の教授が世界で初めてデータで証明しました。その研究をまとめた本が13日に出版されました。

 「動物の世界は死んだふりで溢れているー」。13日に出版された『「死んだふり」で生きのびる』という1冊の本。この本を書いたのは岡山大学大学院の宮竹貴久教授です。

(岡山大学大学院/宮竹貴久 教授)
「これ死んだふりしていますよね。こいつが死んだふりができないやつなんですね。これ完全に体液吸ってる状態。このあとこれは逃げていくことができた」

 米などにつく害虫「コクヌストモドキ」。この虫で実験を行い、死んだふりをした方が生き延びる上で「メリット」があることをデータで解明しました。

(岡山大学大学院/宮竹貴久 教授)
「私も会議とかでいろいろ意見出してると君がやりなさいと言われて『えーっ』ていう場面があるので死んだふりは日常的に使えるのかなと」

 死んだふりに関する「遺伝子」の研究も。死んだふりをする虫はしない虫に比べ、意欲を作るなどする脳内ホルモンの一つドーパミンが出る量が少ないことをつきとめました。

 死んだふりはメリットばかりではないようで――。

 ストレスに弱かったり、出会いが少ないなどのデメリットも解明しました。そうしたメカニズムについても本には書かれています。

(岡山大学大学院/宮竹貴久 教授)
「世界で一番の研究をするのはもちろん大事だし、素晴らしいなと思うんですけれども、研究をする面白さ、好奇心を、読者の方に感じてもらえれば」

 宮竹教授の著書『「死んだふり」で生きのびる』は全国の書店で13日から販売されています。

 この研究内容について、あのダーウィンもファーブルも証明したいと望んだようですが出来なかったということです。

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