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【解説】23日には「杜の街グレース」がグランドオープン 相次ぐ再開発で岡山市中心部に起きている“変化”とは

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 9月23日、岡山市中心部に新たなスポットが誕生します。それがイトーヨーカドー跡地に整備された商業施設「杜の街プラザ」です。再開発が相次ぐ岡山市中心部には「ある変化」が起きています。

岡山市中心部で“ある変化” 相次ぐ再開発で何が?

 2017年2月に閉店したイトーヨーカドー岡山店。

 その跡地に両備グループなどが約300億円かけて整備しているのが、複合型施設「杜の街グレース」です。オフィス棟とマンション棟はすでに稼働していて、そこに23日、商業施設「杜の街プラザ」が加わります。

 13店舗のフードホールに、中四国初出店の世界中の食を取り扱うセレクトショップ「DEAN&DELUCA」などが入っています。両備グループではこの新たなスポットに1日約1万人が訪れると見込んでいます。

 2014年、岡山駅前にイオンモール岡山がオープンして以降、岡山市中心部ではさまざまな再開発が進んでいます。その中で、街には「ある変化」が起きています。

(岡山市教育委員会就学課/松本豊 課長)
「中心市街地にある小学校では、岡山市の全体にわたって長期にわたって子どもさんが少なくなっていく中で、この5年でみますと児童数、伸びているところがあります。中心市街地の学校環境が悪化しないように対応していきたい」

 児童数が増えている大きな要因は、岡山ビブレの跡地など中心部で相次ぐマンション建設です。新しいマンションは今後も続々とできる予定です。

 岡山市北区千日前地区で整備が進んでいる岡山芸術創造劇場、「ハレノワ」には、劇場と一体となった分譲マンションが。2026年度には、岡山駅の東側のエリアが再開発され、マンションやホテルなどが建つ計画です。

(岡山中央小学校/小川泰永 校長)
「学区の方からも新しいマンション建ったよと耳に入れてくださるんで、そういったところの情報を得ながらも、実際の数を早めに把握して準備していきたいと思っています」

 現在764人の児童が通う岡山中央小学校も今後、児童の増加が想定されています。

 岡山中央小学校ではこれまでにも、JR岡山駅から東に延びる桃太郎大通りにマンションが建ち並んだ時期に児童が増加、2018年には過去最多の919人となりました。

(松木梨菜リポート)
「こちらの区画には、理科室などの特別教室が複数あったということなんですが、児童が増えたことで2年生の学級ですとか特別支援学級として使われているんです」

 2005年度と2022年度の図面を比べてみます。図工室だった場所が特別支援教室に、そしてオープンスペースだった場所が2年D組になっています。2年生のほかの3クラスは通常の校舎に入っていて、2年D組だけ別の場所に臨時対応で作られたものです。

 今は、ピーク時よりは児童が少ないものの、「工夫しながら」教室を確保している状態です。今後、さらに増えた場合の対応は考えなければなりません。

(岡山中央小学校/小川泰永 校長)
「少しずつ増えていったときには、今ある部屋を上手に使って教室にしていこうと思っています。さらに増えてどうにもならなくなったときには、教育委員会さんに相談してから対応を考えたいと思っています」

相次ぐ再開発で岡山市中心部で「子ども増」……どう対応?

 ここで岡山市全体の児童数の推移をみていきます。児童数は、団塊ジュニア世代の多くが小学校に入学した1981年度に過去最多の5万3000人余りとなりました。その後、減少していましたが、2008年度にかけて再び増加傾向に。これは団塊ジュニア世代の子どもたちが入学したころといわれています。

 その後は再び減少し、2022年度は3万7762人となっています。児童が減って統廃合が検討されている地域もあります。

 そうした中で岡山市中心部の学校、特に「鹿田小学校」と「石井小学校」はこの5年で児童数が増えています。鹿田は895人から911人で約2%。石井は389人から449人と15%以上の増加です。

 また、今後もマンションの建設が予定されていることから、紹介した岡山中央小学校のように今後増加が見込まれる学区もあります。子どもの増加は、岡山市の中心部に子育て世代・若い世代が増えていることを意味します。岡山市中心部の可能性について専門家に聞きました。

(岡山商科大学商学科/三好宏 教授)
「都市力としても高いと思っていますから集まってくるわけですので、集まることが都市力をアップするっていう。まだまだ岡山市の力っていうのは大きいものがあるんじゃないでしょうかね」

 9月20日に公表された「地価調査」によると、岡山市の全ての用途の平均変動率は2021年は「横ばい」でしたが、2022年は1.1%の「上昇」となりました。

 岡山県全体でみても、商業地の上昇率が高かった地点の上位は岡山市の中心部が占めました。(①北区錦町 +9.6% ②北区柳町 +5.6% ③北区中山下 +4.8% ④北区内山下 +4.0%)

 岡山市では2023年、岡山芸術創造劇場、「ハレノワ」がオープン予定で、市は路面電車の延伸なども計画しています。一方、専門家はさまざまな再開発が計画・推進されている今だからこその課題を指摘します。

(岡山商科大学商学科/三好宏 教授)
「エリア全体を一帯としてどうするか、そういう視点が必要だと思います。しかし、誰が音頭をとって、そこをどうするかっていうのは、そこらあたりが問題になると思います」

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