松盆栽の生産量が全国シェアの8割を占める香川県高松市の鬼無・国分寺地区で、初めてEUに「黒松盆栽」を輸出するのための箱詰め作業が進められています。
高松市の盆栽センターには7軒の農家が集まり、消毒作業を終えた黒松や五葉松など輸出用の盆栽約500点を箱詰めしました。
黒松盆栽については、病害虫に対する懸念からEUへの輸出は禁止されていましたが、2020年10月に解禁されました。
輸出の条件である2年間の栽培管理期間を終えたことから、年明けごろから本格的に輸出できるようになりました。
(スペインのバイヤー)
「黒松についてはスペインは気候が暖かいので、それに適しているのも人気の理由だと思います」
(野口真菜リポート)
「徹底した栽培管理のもと育てられた黒松盆栽が今回、初めて海を渡ります。売約が決まった500点ほどのうち、半分ほどが黒松盆栽だということです」
(高松盆栽輸出振興会/尾路悟 会長)
「やっと、2年登録して初めて出ていくわけですから、非常にうれしいです」
特に多く買い付けられたのが高さ50cmほど、日本の価格で1、2万円ほどの持ちやすいサイズのものでした。また、円安の影響で高価なものも以前に比べて売れたといいます。
(高松盆栽輸出振興会/尾路悟 会長)
「現状で全然足りない状況なんです。もっとその価格帯(1~2万円)のものがあれば全部買いたいんだけれども、というくらい需要の方が増えていっているから、なかなか需要に合わせることが難しい」
香川県によると、県内では国内での盆栽の需要減少や高齢化に伴って盆栽農家の数が徐々に減り、さらに出荷量も約10年間で4割ほど減っています。
それでも、輸出用の盆栽を栽培する農家は県内では20軒ほどと、解禁を機に増えていて、今後もさらに増える見通しです。
(高松盆栽輸出振興会/尾路悟 会長)
「EUの方が欲しがるようなものを作り上げていくということも大切だろうと考えています。しっかり作り上げた黒松盆栽を楽しんでいただけたら本当にうれしいです」
今回箱詰めした盆栽はコンテナに積み込んで運ばれ、現地で夏ごろから販売される予定です。