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高松市・鬼無地区はなぜ日本有数の「盆栽」の産地に? 高校生が探る

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 高松市の鬼無地区と言えば、日本有数の「盆栽」の産地として知られていますが、なぜ盆栽の生産が盛んになったのでしょうか? 地元の高校生たちが「地形」や「地質」からその答えを探ろうという授業が行われました。

 学習指導要領の改訂で2022年度から必修となった「総合的な探究の時間」に高松西高校が行った授業です。「ブラ☆きなし」と題し、1年生約160人が高校がある鬼無地区を散策しながら地域のことを学びます。

 ゲストは、地質や自然災害に詳しい香川大学の長谷川修一特任教授です。

(香川大学/長谷川修一 特任教授)
「きょうのお題はね、鬼無はなぜ世界一の盆栽の里になったのか? その謎をみなさんに解いてもらいます」

(瀧川奈津希リポート)
「高松西高校の生徒が毎日通っているこの通学路。ゆるやかな坂になっているんですが、この坂こそが今回のブラ☆きなしのポイントなんです」

 まず向かったのは高校から歩いて5分ほど、盆栽が多く植えられた「盆栽通り」。ここの土を観察すると、小さな石や2ミリほどの砂利があるのがわかります。

 鬼無地区は、勝賀山と本津川に挟まれたエリア。

 昔から自然災害の被害を受けてきた地域で、2004年の台風23号による豪雨の際には、勝賀山からは土石流が、本津川では氾濫が起きています。

 西高の通学路でもある「盆栽通り」があるのは、土石流によってできた扇状地。砂や小石が堆積したことで水はけがよくなり、盆栽の生育に向いた土地になったのです。

 一方、「盆栽通り」から歩くこと15分。過去に氾濫が起きた本津川の近くでは、粘土質の泥が堆積しています。多くの水を必要とする米作りに適した土地になっています。

 生徒たちは「土石流」と「氾濫」という異なる災害によって土の特性が違い、それに合わせて人々が生活してきたことを学びました。

 そして訪れた盆栽園「中西珍松園」では、園主の中西陽一さんが「地元・鬼無の盆栽を日本の文化として大切にしてほしい」と話しました。

(中西珍松園/中西陽一さん)
「みんな何気に西高に通学しよるけど、この生産地を見たいと言って(コロナ禍以前は)世界中から見学に来ていました。いろんな知識を入れて日本の文化を勉強して世界の人と会話してください」

(生徒はー)
「入学して2カ月くらい経って、山の景色とか当たり前になって見慣れたものになっていたけど、学習を通して盆栽や地形の面から知らなかったものが見えて新鮮だと思った」
「坂を上ったところと下ったところで全然土の感触が違ってびっくりしました。いろんな発見ができたのでこれから登校が楽しみです」

(香川大学/長谷川修一特任教授)
「それぞれの地域にそれぞれの特徴がありますので、それに気づいて地域に誇りを持つ、そういう高校生に育ってほしい」

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