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【解説】「いきなりは取れないかも」マスク緩和で生活どうなる? 心理学の専門家から“課題”指摘 エンタメ業界は「期待」〈新型コロナ〉

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 新型コロナを巡るルールの緩和について考えます。新型コロナ禍となって3年、生活する上でマスクは欠かせない物になりました。そんな中、国は、3月13日からマスク着用を「個人の判断」とする方針を発表しました。以前の生活に戻ろうとする動きがある一方で、「心理学」の専門家はコロナ禍の「3年」という時間の影響を指摘します。今後、私たちの生活はどう変わるのか考えます。

「マスク緩和」どうする? 心理面で課題も……判断は

 先週、国はマスクについて新しい方針を発表しました。それによると、3月13日以降は屋内外問わず「マスクの着用は個人の判断」になります。また、4月からは「学校の教育活動ではマスク着用を求めない」ということです。

 マスク着用に関してはさまざまな意見がある中、学校は慎重に対応を検討しているようです。

 2月14日、岡山市の小学校では校庭で遊ぶ児童の半数以上がマスクを着けていました。国は4月から「教育活動ではマスクの着用を求めないことを基本とする」としています。

 これに対して、こちらの学校は「着ける」「着けない」それぞれの判断を尊重するよう呼び掛ける方針です。

(岡山中央小学校/小川泰永 校長)
「まだ(マスクを)しておきたいという子には『それもいいよ』って、『個人の判断、家の判断で行動していいよ』って言いたいと思います。『どちらも悪くない』ということを言い続けて安心させたい。精神的にも落ち着いた感じで登校させたいと思っていますし、教育活動がスムーズにできるようにしたい」

(児童[小6]は―)
「(今は)『着けた方がいい』『着けない方がいい』両方ある感じですね。周りが変わってきたから『外そうかな』って考え直す人もいると思いますよ。やるなら早めにやった方がうれしかったです」
「もっと前からマスクを外した方がいいと思っていました」

 3月には、多くの学校で卒業式が行われます。これについて岡山県教育委員会と香川県教育委員会はそれぞれ、「児童・生徒と教職員がマスクを着用しないことを基本とする」という通知を出しています。

(松木梨菜リポート)
「来月13日からマスクを着けることは個人の判断に委ねられます。街の人はどう感じているのでしょうか」

(街の人は―)
80代「大丈夫です。もうしません。電車とかバスとかはした方がいいと思うけどね」
20代「着けるかもしれないですね。外すんだったら外してもいいけど、予防にもなるんで着けると思います」

 心理学の専門家は、マスクについては「感染対策」以外の理由でも人によって判断が分かれると指摘します。

(山陽学園大学 生活心理学科/上地玲子 准教授)
「今までこの3年間、マスクをするということに皆さん慣れていらっしゃいますので、マスクの顔に慣れているんですよね。外した時に『なんか印象と違った』みたいに言われることが怖い。なので、それを急に外せって言われたときすぐに外せない人たちが一定数いらっしゃるんじゃないかなと思うんですよね」

 実際に街でも……。

(街の人は―)
10代「いきなりは取れないかもしれないです。今までコロナ禍でマスク着けての生活だったので」
10代「顔の一部になってるので、外すのが恥ずかしくて」
60代「周りを見てみんなが外してたら外すし、外してなかったら外さないし。顔が出るのも恥ずかしいなと思ったり」

(山陽学園大学 生活心理学科/上地玲子 准教授)
「皆さんが『マスクをしてもしていなくてもどっちでもいいんだよ』って思ってくれるのが一番いいと思います。だから、マスクを外さないことに対して『まだやってるの』とか『かっこ悪い』とかみたいに見ないことですよね」

エンタメ業界も「期待」 制限緩和でどう変化?

 ここまでマスクを巡る変化を見てきましたが、新型コロナ禍で制限されていたイベントを巡っても大幅な変更がありました。

 これまで大声を出すイベントは、会場の収容定員の50%までしか人を入れることができませんでした。これを岡山県・香川県はそれぞれ、国の方針に従って、マスクを着用していれば定員の100%まで収容可能としました。

 この緩和にエンターテインメント業界からは期待の声が聞かれます。

(キャンディープロモーション 岡山オフィス/福山貴大さん)
「コンサート会場というものが、『感染しちゃうんじゃないか』って思われるところって方は一定数いらっしゃったと思うんですよね。お客さんのマインドが変わる。そういうポイントだと今回は思うので期待しかないです」

 アーティストのライブなどを企画する、キャンディープロモーションのまとめによると、中国5県で開かれるライブなどのイベントは、コロナ禍前の2019年は450件ありました。しかし、2020年は50件に激減。その後は少しずつ回復していますが、2022年は約300件。まだコロナ禍前の7割ほどにとどまっています。

 収容人数などの制限緩和を受けて、全国のプロモーターで作る団体「コンサートプロモーターズ協会」は2月6日に、ガイドラインを改定しました。

 ガイドラインでは、観客に対して「公演中の歌唱や歓声はマスクを着用した上で楽しむよう周知する」としています。

(キャンディープロモーション 岡山オフィス/福山貴大さん)
「マスクをしていれば、コロナ前のように観覧、コンサートを観てもらっていいですよって、政府のお触れが出たと認識しているので」

 5月には「感染症法」上の新型コロナの位置付けが季節性のインフルエンザと同じ「5類」に引き下げられます。

 今後、生活面でもさまざまな変化が予想されますが――。

(山陽学園大学 生活心理学科/上地玲子 准教授)
「オンラインがこれだけ発達して、みんなが使えるようになったのは、新型コロナになって唯一のメリットだと思います。遠方の方が交通費を使わなくても、リアルタイムで話ができるっていうのは、すごくいいやり方だと思いますので、きっとこれは残っていくのではないか」

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