8月7日、笠岡市議会の臨時議会が開かれ、議員報酬を月額5万円減らす条例改正案が全会一致で可決されました。
これによって10月1日から、議員は月額45万円になることが決まりました。
議員報酬を巡っては、これまで議会側と市民側がそれぞれ同じような条例案を提出する異例の事態となっていました。
(市民団体/柚木義和 事務局長)
「重箱の隅をつつかれたような議論で本論は別のところに行っちゃったような雰囲気になったけど」
事の発端は2018年です。議員の報酬などについて話し合う審議会が、議員定数の削減が決まっていることなどを理由に報酬を月額3万円増やして45万円にするよう答申しました。
一方、市議会は、次の市議選で定数を2減らし、月額50万円とする議員発議の議案を可決しました。理由は、「若い世代の立候補を促すため」などとしていました。
ただし、2020年の市議選後から2023年3月までは月額報酬を10%カットする措置を取っていて、答申通りの45万円になっていました。
そして2023年4月に月額報酬は50万円になりました。
こうした状況に「待った」をかけたのが、それまでも議員報酬の引き下げを求めていた市民団体です。
7月には、答申通りの45万円にする条例改正案を市に「直接請求」しました。
「直接請求」は地方自治法に基づくもので、有権者の50分の1以上の署名が必要です。市民団体は、倍以上にあたる1603の署名を集めました。
(市民団体/柚木義和 事務局長)
「市議会の皆さんは答申は尊重するけれども、自らの主体性で決めるとして50万円を決めた。いくら何でもそれはないでしょ、というレッドカードを示させていただいたのが今回の直接請求」
一方、市議会側は同じような条例改正案を9月の定例議会に提出する予定でしたが、前倒しして今回の臨時議会に提出しました。
(笠岡市議会/天野喜一郎 議員)
「混乱が起きようが起きまいが、全く別個のものとして発議2号を出したつもり」
7日の臨時議会で可決されたのは議会側の案で、市民団体側の案は否決されました。
なお、全国市議会議長会の市議会議員報酬に関する調査結果によると、月額45万円の報酬は、岡山県の市議会の中で4番目に高額です。
(市民団体/柚木義和 事務局長)
「私どもの目的というのは実現をした。私たちの力で議会を押し切った」
(笠岡市議会/天野喜一郎 議員)
「みなさんの意見要望を深く受け止めて議会が決定をいたしました。今まで何度となく市民側から出てきた問題について解決できたと思ってます」