香川県善通寺市にある「四国少年院」が施設を公開しました。少年院では、「人間関係の築き方」に関する指導などに力を入れています。
「四国少年院」では現在、四国4県などから送致された14歳から20歳までの25人が生活しています。
「四国少年院」は、長期の矯正教育が必要とされる非行少年を中心に収容していて、平均的な在院期間は約1年です。
2022年に収容された少年の非行内容の内訳は、傷害が3割を超えて最も多くを占めました。このほか、他にも暴行や恐喝といった、いわゆる「粗暴犯」の割合が高くなっています。
こうした傾向を踏まえ少年院では、暴力の防止や交友関係の作り方の指導に力を入れています。
(四国少年院/石原隆 首席専門官)
「暴力ではないアプローチの仕方で、人とコミュニケーションをとっていくことを学ばせる。個別担任が、面接や日記の指導を通じて、その子の内面に働きかける」
また、2023年7月には半年未満の短期課程も設けました。これは、これまで短期の非行少年を収容していた松山市の少年院「松山学園」が2024年3月で閉鎖することを受けた対応です。
職業指導としては、全国の男子少年院で3つしかない介護福祉科を始め、溶接科や情報処理科など、6つの科があり、少年は希望する科で学び、社会復帰を目指します。
石原首席専門官は「まずは、非行少年自身がやったことや被害者と真摯に向き合うべき」としつつ、社会の側にも「少年たちが居場所を持てるようにしてほしい」と呼び掛けています。
(四国少年院/石原隆 首席専門官)
「うまく受け入れられていけば、我々と同じように、仲間として同僚として、仕事をできるだけの力を持っている子もたくさんいますので、ぜひ社会の方々に受け入れてもらいたい。普段通り、というんでしょうか、接していただければ、子どもたちも自然と、ここが居場所なんだと思えるんじゃないかと感じています」