子どもたちの今を伝える「こどもみらいパーク」。東京オリンピックから正式種目となった「スポーツクライミング」の年代別日本代表に選ばれた岡山市の中学生を紹介します。
スポーツクライミングの大杉金剛(おおすぎ・だいや)さん(15)。岡山市立芳田中学校の3年生です。
金剛さんは、2023年3月に開かれたユース日本選手権のスピード種目で2位に入賞。年代別の日本代表に選出され、中国やシンガポールで開かれた国際大会に出場しました。
(大杉金剛さん)
「2024年のジャパンユースで結果を残して、もう一度国際大会に行きたい」
スピードクライミングは、主に15mの壁をホールドと呼ばれる突起物を使って、いかに早く登るかを競う競技です。
2021年の東京オリンピックでは「スポーツクライミング」として、スピード、ボルダー、リードの3種目の合計を競う複合が行われましたが、2024年のパリオリンピックではスピードクライミングが単独種目として採用されています。
金剛さんは、スタートからの加速が持ち味。登り方にある秘訣があります。
(大杉金剛さん)
「『トモアスキップ』という3番から5番(のホールド)までとばす」
15mの壁には世界共通の配置で大小31個のホールドが設置されています。ちなみに金剛さんが練習拠点としている倉敷市の施設は、高さが約10mのため、コースが前後半で別れています。
金剛さんは大きなホールドの3つ目から5つ目のホールドへ飛び移るように移動します。4つ目のホールドをスキップすることで直線的に登れてロスが少ないということです。
練習は、金剛さんの父・忠則さん(46)がサポートします。忠則さんは倉敷芸術科学大学の准教授でスポーツクライミング部の監督も務めています。
自宅にはこんなものも……。
(大杉金剛さん)
Q.これは何ですか?
「これは自宅にあるクライミングトレーニングルームです」
この壁は忠則さんが約15年前に作ったものです。ただ、小さいときの金剛さんはこの壁には興味を示さず、クライミングを始めたのはわずか3年前でした。
忠則さん「できた時はそんなにしていなくて、コロナの時にやり始めて、はまったな!」
金剛さん「はい」
コロナの影響で自宅時間が増えたことで興味を持ったクライミング。今ではほぼ毎日、ここでトレーニングしています。
練習に失敗はつきもので、足や手には壁に打ちつけた際の無数のあざが残っています。
さらなる高みを目指す金剛さん。現在、ゴール手前のホールドを1つ飛ばす新しい動きを取り入れようと練習しています。
(大杉金剛さん)
「関わって自分のことを助けてくれたりする人に感謝をして、その感謝をスピードクライミングで速くなって見せたい。最終的な目標はロサンゼルスオリンピックだったり、オリンピックのスピード競技に出て金メダルを取りたい」